日本初遠隔ロボット手術成功 高まる期待
【けさ知っておきたいNEWS】
テレビ朝日グッド!モーニング「けさ知っておきたいNEWS」のコーナーで解説されたNEWS内容をご紹介しています。
この解説のあと「けさ知っておきたいNEWS検定」が出題されます。
地域医療格差解消に高まる期待
青森県の弘前大学と日本外科学会は今週、国内で初めてロボットを使った遠隔手術を実施したと発表しました。
手術が行われたのは弘前大学医学部附属病院で、大腸がんの患者に対し、主治医と助手が手術室に入りました。
一方、そこから約30㎞離れた病院にはロボット手術に熟練した医師が待機し、遠隔操作で手術を支援しました。
国産手術ロボット
「hinotori(ヒノトリ)」を使用
これまでもロボット支援手術は行われてきましたが、基本的には患者と執刀医が同じ手術室に入り、医師が近くの操作席からロボットを動かす方式でした。
今回使われたのは、国産の手術支援ロボット「hinotori(ヒノトリ)」です。
手塚治虫さんの作品「火の鳥」にちなんで名付けられたロボットで、国内で遠隔操作による手術が実施されたのは初めてです。
手術室と離れた病院は光回線で接続され、通信障害が起きた場合に備えて複数の回線も用意されました。
主治医と熟練医が共同で手術
今回の手術では、基本的な操作は患者のいる病院の主治医が担当しました。
そして、特に難しい場面などでは、約30㎞離れた場所にいる熟練医が操作を支援。
2人の医師が協力しながら、ロボットを使って腫瘍を切除しました。
完全に遠くの医師だけが手術をするのではなく、現地の医師と熟練医が連携して行う仕組みです。
ロボット手術のメリットとは
ロボット手術にはいくつかの利点があります。
手術中は高精細な3D画像を拡大して見ることができるため、細かな血管や組織を確認しやすくなります。
また、人の手に起こるわずかな震えを抑えて、精密な操作ができることも特徴です。
患者側の負担が小さい点もメリットです。
大きく切開するのではなく、小さな穴から細い器具を入れて手術するため、出血量が少なく、術後の痛みも軽減できるとされています。
地方でも
高度な手術が受けられる可能性
遠隔手術の最大の目的は、地域による医療格差を減らすことです。
日本では、都市部と地方で医師の数に大きな差があります。
北海道では、地域によって医師の充足度に大きな開きがあり、高度な治療を受けるために患者が3時間以上移動するケースもあります。
遠隔手術が普及すれば、地方の病院にいながら都市部の熟練医から支援を受けられるようになります。
将来的には「北海道の患者を東京の名医が支援する」といった医療も現実になる可能性があります。
若手医師の育成にも効果
もう一つ期待されているのが、ロボット手術の経験が浅い医師でも、遠方から熟練の医師からリアルタイムでサポートを受けながら経験を積むことができます。
専門医が少ない地方でも若手医師が経験を積みやすくなれば、長期的には地域の医療水準そのものを高めることにもつながります。
一方で、病院間で光回線を使うことで、通信インフラの整備が巨額な費用がかかることが大きな課題だということです。
きょうのNEWS解説まとめ
国内初となった今回の遠隔ロボット手術は、ロボット技術と通信技術を組み合わせ、離れた場所にいる熟練医が手術を支援する新しい医療の形です。
通信障害への備えや安全性の確保など課題はありますが、実用化が進めば、住んでいる場所によって受けられる医療に差が出る問題を改善できる可能性があります。
将来的には国内だけでなく、国境を越えて海外の専門医が手術を支援する時代も見えてきそうです。
NEWS解説
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