「バタン諸島は中国領」フィリピン反発
【けさ知っておきたいNEWS】
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中国の学者
「バタン諸島は中国領」と主張
中国の学者らが先月末に開催されたシンポジウムで「バタン諸島は中国領だ」と主張し、フィリピン政府が強く反発しています。
バタン諸島はフィリピン最北端に位置する大小10以上の島々からなる諸島で、約2万人が暮らしています。
山岳地帯と緑豊かな自然が魅力でバスコ灯台が有名で、台風の通り道になりやすいため、頑丈な石造りの家が立ち並ぶ独特の景観も見どころです。
中国の政府系金融機関や大学の学者たちはシンポジウムで「バタン諸島は台湾本島の自然な地理的延長にあり、明や清の時代には台湾の管轄下にあった、だから中国領だ」と主張しました。
これに対してフィリピン側は「根拠がない」と反発し、中国の領土拡張の意図への警戒を強めています。
なお中国政府がバタン諸島の領有権を公式に主張したことはまだないとみられていますが、仮に今後公式化すれば、南シナ海に続いてバシー海峡でも両国が正面から対立する事態になりかねません。
バシー海峡の戦略的重要性
台湾有事のリスクも
バタン諸島が注目される背景には、その地政学的な重要性があります。
諸島の北わずか200㎞には台湾があり、その間の海峡はバシー海峡と呼ばれています。
中国軍の空母打撃群などがここを通って太平洋側に出るための重要な航路の一つとなっており、台湾有事の際には周辺海域が封鎖される可能性もあると指摘されています。
フィリピンのマルコス大統領が「台湾で戦争が起きれば、我々は嫌でも引きずり込まれる」と強い危機感を示すのもこのためです。
こうした緊張の高まりを受け、フィリピン海軍は2023年にフィリピン最北端のマブリス島に基地を新設しました。
今年4月から5月にかけては日本の自衛隊やアメリカ軍などとフィリピン各地で合同軍事演習を実施し、バタン島にはアメリカの地対艦ミサイルシステム「ネメシス」まで配備されるなど、軍事的な存在感を急速に高めています。
日本フィリピンとの海洋境界画定交渉
中国を刺激
今回の中国の学者によるシンポジウム開催には、日本も深く関わっています。
5月に日本とフィリピンが排他的経済水域(EEZ)の海洋境界画定に向けた交渉に入ることを決定しており、
これを中国の学者らが問題視したことがシンポジウム開催の背景にあるとみられています。
日本とフィリピンのEEZは一部重なる部分があいまいになっており、両国がその境界を話し合いで明確化しようとしているわけです。
これに対して中国は「我々の参加が不可欠だ」と反発を示しています。
南シナ海での領有権争いに加え、バシー海峡をめぐる新たな火種が生まれつつある中、7月22日フィリピンのマニラではASEAN関連外相会議が開催され、中国の王毅外相も出席する予定です。
領有権問題がどのような形で議論されるか、注目が集まっています。
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