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相撲のぼり 国技館彩る「伝統の職人技」【GOOD!いちおし】

Posted on May 31, 2026 by Pulse

相撲のぼり 国技館彩る「伝統の職人技」
【GOOD!いちおし】

 

グッド!モーニング「Good!いちおし」のコーナーで紹介された内容をご紹介しています。

fa-thumbs-o-up今日の「Good!いちおし」
色彩に込められた想い 大相撲を彩る「のぼり職人」
大相撲のシンボル「のぼり」を150年守り続ける職人がいます。
時代は変わっても色と技は色あせない伝統の「のぼり職人」について紹介されました。

 

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大相撲を彩る「のぼり」を150年守り続ける職人

大相撲の会場を訪れると、ひときわ目を引く色鮮やかな「のぼり」。
力士の名前が大きく書かれたその姿は、国技館や巡業会場を華やかに彩る大相撲のシンボルです。

今回の「グッド!いちおし」では、この大相撲ののぼりを150年以上作り続けている職人の技が紹介されました。
舞台となったのは、岐阜県にある「吉田旗店」。
日本三大清流のひとつ、長良川のすぐそばに店を構える老舗です。

吉田旗店の創業は明治5(1872)年、150年以上前から染め物を営み、現在では大相撲ののぼりのシェアは全体の5割以上を手がけているといいます。
年間に作るのぼりの数はおよそ1000本。
地方巡業が増えた戦後、先々代の頃から本格的に大相撲の「のぼり」を受注するようになりました。

実に25場所ぶりに福島出身の若隆景が優勝を飾った大相撲5月場所でも、両国国技館を鮮やかに彩っていたのが、この伝統の技で作られたのぼりでした。

 

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力士を応援する縁起物 場所ごとにすべて新調

大相撲の「のぼり」は、サイズは、縦5.4m、横90cmという大きなものです。
会場の外にずらりと並び、観客に力士の存在を印象づけるだけでなく、力士の士気を高める役割もあります。

この「のぼり」は、スポンサーや後援者がひいきの力士を応援するために贈る縁起物のため、一度使ったものを次の場所で使い回すことはなく、場所ごとにすべて新しく作り直されます。

一見すると「もったいない」と感じるかもしれませんが、役目を終えたのぼりはそこで一区切り。
次の場所では、新しい気持ちで新しいのぼりを立てるという考え方があるそうです。
勝負の世界ならではの験担ぎと、力士を応援する人たちの思いが込められています。

相撲でのぼりが立てられ始めたのは、勧進相撲が盛んに行われるようになった江戸時代といわれています。
長い歴史の中で、のぼりは大相撲に欠かせない存在となってきました。

 

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86歳の職人が一筆に込める右肩上がりの願い

のぼり作りで何より重要なのが、文字を書く工程です。
この作業を担当しているのが、吉田旗店の5代目(先代) 吉田稔さん(86歳)です。

吉田さんは、長年受け継がれてきた伝統の技で、力士の名前を一枚一枚手書きしています。
その文字には、相撲ならではのゲン担ぎが込められています。

たとえば、文字は少し右上がりに書かれます。
これは、力士の成績が右肩上がりになりますようにという願いを込めたものです。
また、はみ出して描くのははみ出すくらい多くのお客さんが入るようにという思いも込められているそうです。

吉田さんのこだわりは、ただ美しい字を書くことだけではありません。
人気力士になると、同じ会場に何本もの「のぼり」が並ぶ相撲の世界。
だから、同じ力士の名前でもすべて同じ書き方では面白くないと吉田さんにはプライドがあります。

たとえば「関」という一文字であっても、それぞれの「のぼり」に個性が出るよう、何種類もの書き方を使い分けます。
タニマチ(スポンサー)が自分の思いを込めて贈るのぼりだからこそ、一枚一枚に違いを出す。
そこに職人としての誇りが感じられます。

 

もち米のノリが文字を際立たせる職人技

下書きが終わると、次に行うのが「堤防」を作る作業です。
これは、もち米に石灰などを混ぜて作った糊を、文字の縁に沿って乗せていく工程です。

この糊は、染料同士が混ざらないようにするための堤防の役割を果たします。
染め上がったのぼりを見ると文字の周囲に白い枠が残っていますが、そこが糊を置いていた部分です。
この白い縁があることで、文字がよりくっきりと浮かび上がります。

一見簡単そうに見える作業ですが、均一に糊を置き、美しい文字を際立たせるには長年の経験が必要です。
吉田旗店では、工場見学に来た人から「簡単そうですね」と言われることがあったそうで、6代目吉田聖生さんは職人にとってはそれがうれしい言葉だといいます。
簡単そうに見えるということは、楽々やっているということだからです。

 

黒と赤を使わない相撲ならではの配色

糊が乾いたあとは、いよいよ染めの工程に入ります。
配色は職人のセンスに委ねられますが、大相撲の「のぼり」には使う色にも決まりがあります。

力士の名前の部分には、黒星を連想させる黒を使いません。
また、タニマチ(スポンサー)の部分には赤字を連想させる赤を使わないそうです。

勝負の世界、商売の世界に関わるのぼりだからこそ、色にも細やかなゲン担ぎが込められています。

染めた後は、色をしっかり定着させるために薬剤を塗り、その後は水で洗って下書きや糊を落とします。
この時に使われる水にも、吉田旗店ならではのこだわりがあります。

 

長良川の水が支える鮮やかな発色

吉田旗店が使っているのは、長良川の伏流水(地下水)です。
長良川の水は軟水で、年間を通じて水温が比較的安定しているため、染め物に適しているといいます。

ミネラル分が生地に付着してしまう硬水よりも、長良川の軟水が染物に最適なのです。
また地下水の低い水温も、色を美しく際立たせる効果があるそうです。

吉田旗店の外にカッパのキャラクターが描かれているのも、水への感謝を表しているからです。
店の人たちは「自分たちはカッパと同じで、水がなければ干上がってしまう」と話していました。
長良川の水は、吉田旗店の染め物を支える大切な存在なのです。

 

最後に天日干しをして、のぼりは完成します。
こうして作られたのぼりは両国国技館へ送られ、場所前に設置されます。大相撲の熱気をさらに高める色鮮やかなのぼりには、職人の技と、力士への応援の気持ちが詰まっていました。

 

 

 

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