“死後離婚” 増加 トラブル懸念も
【けさ知っておきたいNEWS】
グッド!モーニング「けさ知っておきたいNEWS」のコーナーで解説されたNEWS内容をご紹介しています。
この解説のあと「けさ知っておきたいNEWS検定」が出題されます。
配偶者が亡くなった後、義理の両親などとの親族関係を終わらせる「死後離婚」が増えています。
正式には「姻族関係終了届」と呼ばれる手続きで、配偶者の死後も続く義理の家族との関係を自分の意思で終了させることができます。
番組では、この死後離婚の件数が再び増加していることが紹介。
2010年代に広く知られるようになってから件数は増え、2017年度に一度ピークを迎え、その後はやや減少しましたが、近年また増加に転じ、2024年度には3600件を超えています。
その背景には、後期高齢者の人口増加で介護に直面する問題や、結婚観・家族観の変化があるとみられています。
一方で、手続きをした後に思わぬトラブルにつながる可能性もあり、慎重な判断が必要です。
死後離婚とは?
姻族関係終了届で親族関係を終える手続き
死後離婚とは、配偶者が亡くなった後に、義理の両親や義理の兄弟姉妹などとの親族関係を終わらせる手続きのことです。
正式には「姻族関係終了届」といい、本籍地または住民票のある市区町村に提出することで完了します。
この届出を出すと、自分と亡くなった配偶者の親族との関係は終了します。
たとえば、夫を亡くした妻が、夫の両親との関係を終わらせたい場合などに利用されます。
大きな特徴は、義理の両親や親族の同意が必要ないことです。相手側に許可を取る必要はなく、通知する義務もありません。
また、姻族関係終了届を提出した後も、遺族年金を受け取ることは可能です。
ただし、一度提出すると撤回や取り消しはできません。
感情的に決めてしまうのではなく、その後の家族関係や相続のことまで考えたうえで判断することが大切です。
死後離婚が増えている背景にある高齢化と介護問題
死後離婚が増えている理由のひとつとして、高齢化が挙げられています。
75歳以上の後期高齢者は2024年に2000万人を超え、ここ20年でおよそ2倍になりました。
高齢者が増えたことで、家族が介護に直面する場面も増えています。
離婚問題に詳しい専門家によると、後期高齢者の増加により、義理の親の介護をどうするかが大きな問題になっているといいます。
配偶者が亡くなっても、義理の両親との関係はそのまま残るため、介護の負担を求められるケースがあるからです。
番組では、夫を亡くした40代の女性の例が紹介されました。
この女性は、夫の両親が健在で、「このままでは介護を丸投げされる」と不安を感じたそうです。
そのため、早く縁を切りたいという思いから死後離婚を決断しました。
昔ながらの考え方では、「嫁いできたのだから、夫が亡くなった後も義理の親の面倒を見るべき」と受け止められることがあります。
しかし、現在は共働き世帯も増え、女性も仕事や自分の生活を持つ時代です。
こうした価値観の違いが、死後離婚を選ぶきっかけになっていると考えられます。
介護だけではない死後離婚の理由
死後離婚の理由は、介護だけではありません。
番組では、関西在住の女性のケースも紹介されました。
この女性は、夫の死後に遺品を整理していたところ、不倫相手との写真や、不倫相手に渡した可能性のあるブランド品の領収書を見つけてしまったといいます。
夫への信頼が崩れ、「もう勘弁してほしい」という思いから、義理の家族との関係も含めて整理したいと考え、死後離婚を決断しました。
さらに、東北在住の男性の例も取り上げられました。
この男性は、妻と妻の母、自分の3人で暮らしていました。
しかし妻が亡くなり、義理の母と2人暮らしになりました。
その後、男性自身にがんが見つかり、さらに義理の母も高齢だったことから、今後の生活に不安を感じるようになったそうです。
そこで、義母の唯一の血縁である妻の弟に「自分の母親なのだから面倒を見てほしい」と頼みましたが、拒否されてしまいました。
男性はやむなく死後離婚を決断し、ちなみに最終的には妻の弟が母親を引き取ることになったといいます。
このように、死後離婚は女性だけの問題ではありません。
介護、夫婦関係、親族との関係など、家庭によってさまざまな事情があります。
姻族関係終了届を出す前に注意したい相続トラブル
姻族関係終了届は、自分の意思だけで提出できる手続きです。
義理の両親や親族の同意は不要で、提出後も遺族年金を受給できます。
そのため、義理の家族との関係に強い負担を感じている人にとっては、ひとつの選択肢になります。
ただし、注意すべき点もあり、専門家は提出後の撤回や取り消しができないため、慎重に判断する必要があると指摘しています。
特に子どもがいる場合は注意が必要です。
姻族関係終了届を出すと、自分と義理の両親との関係は切れます。
しかし、子どもと祖父母の関係はそのまま続きます。
つまり、義父母の遺産を孫である子どもが相続する権利は残ります。
子どもが未成年の場合、相続した遺産は親である自分が管理することになります。
その際、義理の親族と話し合う機会が出てくる可能性があります。
もし死後離婚によって関係が悪化していると、相続をめぐって揉めることも考えられます。
死後離婚は家族で早めに話し合うことが大切
死後離婚が増えている背景には、高齢化による介護負担の増加や、結婚観・家族観の変化があります。
配偶者が亡くなった後も義理の親との関係が続くことに負担を感じ、姻族関係終了届を提出する人が増えています。
一方で、死後離婚は一度手続きをすると撤回できません。
遺族年金は受け取れますが、子どもと祖父母の関係や相続の問題は残るため、思わぬトラブルにつながる可能性もあります。
大切なのは、配偶者や義理の両親と、元気なうちから老後の暮らし方や介護、相続について話し合っておくことです。
家族だからこそ切り出しにくい話題ですが、将来の不安や負担を減らすためには、早めに向き合っておきたいテーマです。
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