「麦わら帽子」猛暑で人気復活
紫外線9割カット 通気性も
【もっと知りたい!NEWS独自取材】
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麦わら帽子 酷暑で復活の兆し
記録的な暑さが当たり前になりつつある日本で、日傘や半ズボンスーツなど暑さをしのぐ装いが広がる中、頭にかぶる夏のファッションにも、新たな変化が起きています。
140年続く老舗が手がける
「麦わら帽子」が再ブーム
今年の夏は全国的に平年より暑くなる見込みで、猛烈な暑さへの対策が求められています。
そんな中、暑さ対策として改めて注目されているのが「麦わら帽子」です。
埼玉県春日部市にある「田中帽子店」は、1880年創業、140年にわたって”麦わら帽子一筋”で営業を続けてきた老舗です。
店内には子ども用から大人用まで、なんと300種類の麦わら帽子が並びます。
ここ数年の売り上げは右肩上がりで、店主は「温暖化と天然素材への注目、この2つが追い風になって売れ行きが順調に伸びている」と話します。
明治から続く春日部の麦わら帽子文化
明治時代から米や麦の生産地として栄えた春日部市では、当時多くの農家が副業として麦わら帽子作りに励んでいました。
需要は非常に高く、昭和初期にかけては多くの日本人男性が夏に「カンカン帽」をかぶる大ブームが起きたほどです。
その後、安価で大量生産できるポリエステル製の麦わら帽子が登場すると、市内の製造工場は次々と閉鎖。
現在では田中帽子店が市内で唯一、昔ながらの製法で麦わら帽子を作り続けています。
職人技が支える
丈夫で頭になじむ仕上がり
帽子作りには、伸縮性のある麦わらの真田紐が使われます。
つむじ部分からぐるぐるとミシンで縫っていく工程は非常に難しく、きれいに仕上げるには3〜5年の修行を積んだ職人の技術が必要です。
「スタートがきれいに作れれば、その後の形もきれいに仕上がる」と職人は話します。
編んだ帽子は、乾燥した冬の時期に寒干しを行います。
湿気を飛ばすことで縫い目がしっかりと締まり、丈夫な帽子になるといいます。
その後、専用の水圧機で型入れを行い形を整えます。
型入れの前と後では仕上がりの差は歴然です。
最後に検品作業で、はみ出した麦わらを丁寧にカットして完成です。
こうした丁寧な手作業によって、一時は売り上げが落ち込んだ時期もありましたが、現在では年間2万〜3万個を生産するまでに回復しています。
紫外線カット率は約92%
ファッションとしても人気
麦わら帽子には、見た目からは想像できない効果もあります。
ツバが12cmほどある麦わら帽子をかぶって測定した実験では、紫外線を約92%カットしたというデータが出ています。
専門家は「暑い夏に無理をして蒸れるものを使うより、通気性が良く紫外線もカットできる麦わら帽子は、これからの紫外線対策としても期待できる」と話します。
暑さや紫外線対策だけでなく、ファッションとしての人気も高まっています。
三つ編みデザインの麦わら帽子をインスタグラムで見て購入した女性は「絶対に欲しいと思って、今日はこれをかぶってきました」と笑顔を見せます。
店主は、「祖父から言われているのが『おしゃれは足元から始まり頭で終わる』、その最後に飾るのを麦わら帽子を選んでいただけたらな」と話していました。
天然素材ならではの涼しさと紫外線対策、そして職人の手仕事が生み出す美しい仕上がり。
140年の歴史を持つ麦わら帽子は、機能性とファッション性を兼ね備えたアイテムとして、これからの夏にますます欠かせない存在になりそうです。
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