上杉謙信 修復の寺「大中寺」 七不思議
【GOOD!いちおし】
テレビ朝日グッド!モーニング「Good!いちおし」のコーナーで紹介された内容をご紹介しています。
上杉謙信 修復の寺「大中寺」 七不思議
| 上杉謙信とゆかりの深い大中寺。 歴史の舞台となったこの寺には、いくつもの不思議な伝説があります。 その歴史と言い伝えに迫ります。 |
栃木・大平山にたたずむ
歴史ある「大中寺」
今回の「GOOD!いちおし」では、栃木県南部の大平山にある曹洞宗の寺「大中寺」が紹介されました。
深い杉林の中にたたずむ大中寺は、戦国武将や徳川家康とも深い関わりを持つ由緒ある寺です。
この地には1154年ごろから真言宗の寺があったとされ、1488年に大中寺として整備されました。
現在の山門は、かつて皆川氏の居城だった皆川城から移されたものと伝えられています。
皆川氏は織田信長ら戦国武将とも関わりを持った一族で、江戸時代には徳川家康から大中寺も手厚い保護を受けました。
上杉謙信が火災で焼けた寺を復興
大中寺と特に深い関係を持つ戦国武将が上杉謙信です。
1561年ごろ、謙信が本格的に関東へ進出していた時期、大中寺には謙信の叔父にあたる虎渓和尚がいました。
大中寺は度重なる火災に見舞われており、謙信は叔父との縁から焼失した建物などの修復を支援したとされています。
さらに1568年には、長年対立していた上杉氏と北条氏の和睦交渉の舞台にもなりました。
上杉と北条が手を結んだ背景に
武田信玄
当時、武田氏・北条氏・今川氏は互いに攻撃しない同盟関係にありました。
しかし1560年の桶狭間の戦いで今川氏が弱体化すると、武田信玄が今川領へ進攻。これに北条氏が反発します。
北条氏にとって心配だったのが、今川氏を助けようとすれば背後から上杉謙信に攻められることでした。
一方の謙信にとっても武田信玄は長年の宿敵です。
そこで対立していた上杉氏と北条氏が接近し、和睦へと動きました。
その交渉の舞台の一つとなったのが大中寺だったと伝えられています。
謙信が大平山に登り、周囲を見渡して軍事演習に適した場所だと考えたという伝承も残り、現在も「謙信平」という地名があります。
徳川家康も重視した「関三刹」
江戸時代になると、大中寺はさらに重要な役割を担うようになります。
1590年に関東へ移った徳川家康は、新しい領地を安定して治めるため、当時関東で力を持っていた曹洞宗の寺院を行政にも活用しました。
大中寺は、埼玉県の龍穏寺、千葉県の總寧寺とともに「関三刹」と呼ばれ、幕府の寺院行政を支える重要な寺となります。
幕府からの指示を各地の寺へ伝えたり、寺同士の争いを処理したりするなど、行政や司法に近い役割も担っていました。
大中寺に伝わる
ちょっと怖い「七不思議」
大中寺には歴史だけでなく、昔から語り継がれる「七不思議」もあります。
その一つが本堂にある「枕返しの間」です。
本尊に足を向けて寝ると、翌朝には頭と足の向きが逆になっているという不思議な伝説があります。
さらに境内には「油坂」と呼ばれる階段があります。
昔、一人の修行僧が夜の明かりに使うため本堂の油を盗み、追われてこの階段から転落して亡くなったとされます。
それ以来、階段を上り下りすると災いが起きるという言い伝えが残りました。
「雨月物語」にも登場する
根無しの藤
七不思議の中でも特に有名なのが「根無しの藤」です。
上田秋成の「雨月物語」に収められた「青頭巾」と関係する伝説が残っています。
物語では、愛する少年を失った悲しみから鬼のようになった僧を、大中寺の僧が救おうとします。
僧に青い頭巾をかぶせ、ある句の意味を考え続けるよう諭したところ、長い年月を経て執着から解放され、成仏したという話です。
その僧の墓に杖を差したところ根付き、大きな藤になったという伝承から「根無しの藤」と呼ばれるようになったとされています。
馬の鳴き声がする井戸や
開かずのトイレも
そのほかにも大中寺には、なぜか馬の鳴き声が聞こえるという井戸「馬首の井戸」、住職にしか聞こえないという拍子木の音「東山一口拍子木」、火を絶やしてはいけないかまど「不断のかまど」、ある出来事以来誰も扉を開けていないとされるトイレ「不開の雪隠」など、不思議な話が残されています。
上杉謙信、北条氏、徳川家康といった歴史上の人物と深く関わりながら、数々の伝説も受け継いできた大中寺。
戦国時代の歴史をたどるだけでなく、境内に残る「七不思議」を探しながら歩いてみると、また違った魅力を感じられそうです。
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