アルツハイマー病治療薬 自宅で使用可能に
【けさ知っておきたいNEWS】
テレビ朝日グッド!モーニング「けさ知っておきたいNEWS」のコーナーで解説されたNEWS内容をご紹介しています。
この解説のあと「けさ知っておきたいNEWS検定」が出題されます。
レカネマブの皮下注射タイプが承認
厚生労働省がアルツハイマー型認知症の治療薬レカネマブについて、自宅で使える皮下注射タイプを正式に承認しました。
これまでは2週間に1回病院に行き、およそ1時間かけて点滴投与したうえで安静にする必要がありましたが、新たに承認された皮下注射タイプはスタンプ式の注射器を自宅で太ももや腕に当てるだけで、わずか15秒で投与できます。
通院にかかる時間や手間が大幅に省け、患者本人と支える家族の負担軽減が大きく期待されています。
レカネマブは2023年に発売された、アルツハイマー病の進行を抑える世界初の薬です。
アルツハイマー病の原因物質とされるタンパク質「アミロイドβ」が脳内に固まってできた老人斑に付着してこれを除去する仕組みです。
販売元のエーザイによると、投与しなかった人と1年半投与した人を比べると症状の進行がおよそ半年遅くなったというデータがあり、アメリカでの臨床試験では4年間投与を続けた患者の8割以上が早期アルツハイマー病の段階にとどまったという結果も出ています。
早期発見が鍵
進行してからでは効果薄
ただし認知症治療に詳しい医師は「脳の細胞を完全に戻すことは不可能で、あくまでも進行を遅らせるものだ」と指摘しています。
さらに投与対象となるのは物忘れや初期記憶障害など症状が軽い段階に限られており、進行してしまうと効果が薄くなります。
しかし認知症と診断される患者の多くはすでに症状が進行しており、投与すべき患者を早期に見つけることが非常に難しいのが現状です。
物忘れを加齢のせいと思い込んで受診をためらうケースも多く、早期発見・早期受診の重要性が改めて問われています。
普及すれば年間10兆円
医療財政への影響が懸念
もう一つの課題が費用です。
点滴タイプの場合、薬の費用のみで10割負担だとおよそ250万円ですが、公的医療保険の適用により患者の自己負担は年間数万円から数十万円程度に抑えられています。
その差額は国が負担しており、1人あたり年間およそ200万円の計算です。
投与対象者は現在およそ500万人とされており、仮に全員に投与した場合の国の負担は年間10兆円という数字になります。
国の医療財政を圧迫し、私たちの社会保険料にも影響が及ぶ可能性があります。
皮下注射タイプの薬価は2か月以内に決定される予定で、将来的には普及が進むにつれて価格が下がる可能性もあると専門家は指摘しています。
NEWS解説
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