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株式会社Iris Wellnessは7月7日、頭痛日誌アプリ「ズツノート」の利用者データを分析した結果を発表しました。頭痛薬を使う利用者のおよそ9人に1人(10.9%)が、ある月に急性期の頭痛薬を10日以上使用していたことが明らかになったとのことです。
これは「薬剤の使用過多による頭痛(MOH)」が疑われる目安を超える使用量だといいます。あわせて、6月に公開したiOS版に続きAndroid版の提供を開始し、iOS・Android・Webのすべてで利用できるようになったと発表しました。
「ズツノート」は頭痛専門医である代表取締役の前川裕貴さんが自ら開発したアプリで、利用は無料、広告表示もないとのことです。
目次
痛み止めの使いすぎが新しい頭痛を招く仕組み
頭痛が起きたとき、市販の鎮痛薬やトリプタンは頼りになる存在です。しかし、これらを頻繁に使い続けると、逆に頭痛が慢性化してしまうことがあり、この状態は「薬剤の使用過多による頭痛(MOH)」と呼ばれています。
国際頭痛分類(ICHD-3)では、トリプタンや複合鎮痛薬なら月10日以上、市販薬などの単純な鎮痛薬なら月15日以上使う状態が3か月を超えて続くとMOHと診断されます。頭痛に悩む人ほど陥りやすく、一般の有病率は1〜2%とされていますが、本人も医療者も見落としやすい状態だということです。
利用データ862名分から見えた使用実態
同社は、ズツノートで服薬を記録している利用者862名分のデータを集計しました。


- 頭痛薬を使う利用者のおよそ9人に1人(10.9%)が、ある月に急性期の頭痛薬を10日以上使用(MOHが疑われる目安を超過)
- 月10日以上の使用が3か月以上続いた利用者は1.3%(MOHが強く疑われる水準で、一般の有病率1〜2%とほぼ一致)
- 一方、使用日数は平均すると月3.2日で、多くの利用者は適正な範囲におさまっていた
多くの人は問題がない一方で、一部の人が気づかないうちに使いすぎの領域に入っている実態が、記録データから浮かび上がったとのことです。
頭痛専門医・前川裕貴さんのコメント


前川さんは、頭痛薬を使いすぎると脳の痛みを感じる回路そのものが過敏になっていくと説明しています。これは中枢感作と呼ばれる現象で、ちょっとした刺激でも頭痛が起きるようになり、「効かないからまた飲む」という悪循環に入ってしまうのがMOHの怖いところだとコメントしています。
治療の基本は原因となっている薬をやめる断薬ですが、断薬の途中は一時的に頭痛がひどくなることが多く、患者にとって本当につらい期間になるといいます。
前川さんは「そこまで追い込まれる前の減薬」の重要性を伝えているとのことで、まだ余裕のあるうちに使用回数に気づき、少しずつ減らしていくことを勧めています。そのためにまず必要なのが、自分が月に何日頭痛薬を使っているのかを正しく知ることだと述べています。
多くの人は記憶だけだと実際より少なく見積もっているといい、数字で見えて初めて対策の一歩が踏み出せると前川さんはコメントしています。
記録データが自動集計され主治医にも共有可能
ズツノートに毎日の頭痛や服薬を記録すると、頭痛の日数や服薬回数、痛みの強さ、続いた時間などが自動で集計され、グラフで表示されます。記憶ではあいまいになりがちな服薬回数が数字で見えるため、使いすぎに自分で気づけるとのことです。


利用者が「かかりつけ医療機関」を設定していれば、集計データは主治医の診察画面に届きます。減薬や予防薬の相談を、同じ数字を見ながら進められるとのことです。


かかりつけに選べるのは、ズツノートに登録している医療機関のみとなっています。
医療機関向けの登録制度も用意
主治医への共有機能は、医療機関がズツノートに登録している場合に利用できるとのことです。登録は無料で、患者が「かかりつけ」に設定すると、頭痛日誌や服薬記録が診察画面に届き、MOHの把握や減薬・予防治療の判断に役立つといいます。
登録した医療機関は「ズツノート連携医療機関」として一覧ページで紹介されるとのことです。詳細は医療機関向けページから問い合わせできるとしています。
サービス概要
「ズツノート」はiOS版、Android版、Web版のすべてで利用でき、利用料金は完全無料で広告表示もありません。