朝ドラ「ブラッサム」で、ヒロイン・珠のモデルになっているのが、作家の宇野千代(うの・ちよ)さんです。
ドラマでは、珠が最初の結婚からわずか三日で家を飛び出し、離縁となりました。
ドラマを見て、「史実の宇野千代さんは、2回目にだれと結婚したの?」と気になった方もいるのではないでしょうか。
宇野千代さんの2番目の夫は、最初の夫の弟・藤村忠(ふじむら・ただし)です。
今回は、ドラマの珠の最初の結婚と離縁のネタバレ、宇野千代さんと藤村忠の史実、そしてドラマで珠の2番目の夫になる人物についてご紹介します。
目次
宇野千代がモデルのヒロイン・珠が離縁!
朝ドラ「ブラッサム」とは?
朝ドラ #ブラッサム 次週予告🌸
『第4週』10/19(月)〜10/23(金)放送
❝岩国と、共に❞📱『第3週』の本編とダイジェストはNHK ONEで配信中 pic.twitter.com/4awiRsTHLW
— 朝ドラ「ブラッサム」公式 (@asadora_bk_nhk) October 15, 2026
2026年9月28日にスタートした「ブラッサム」は、NHK朝の連続テレビ小説の115作目にあたります。
ヒロインの葉野珠(はの・たま)を、石橋静河さんが演じています。
珠のモデルは、明治30年に生まれ、平成8年に98才で亡くなるまで、波乱の人生を生きた作家・宇野千代(うの・ちよ)さん。
ただし原作はなく、宇野千代さんの人生をヒントに、名前や設定を変えて描かれたオリジナルの物語です。
山口県・岩国の造り酒屋の一族に生まれた珠は、小さいころから本の虫。
女学校では友だちと同人誌をつくり、自分でも物語を書くようになります。
けれど、結婚や仕事、恋をめぐって、岩国では思うようにいかないことばかり。
つらいうわさから逃げるように東京へ出た珠は、文学の世界の人たちと出会い、作家への道を歩きはじめます。
脚本を手がけるのは櫻井剛さんと小松與志子さんの2人で、オープニングには YOASOBI の「咲き誇れ」が流れます。
宇野千代がモデルのヒロイン・珠が離縁!
ここからは、第2週の珠の最初の結婚のネタバレです。
1.父が持ってきた縁談
大正2年、高等女学校の4年生になった珠。
ある日、父・清治(渡部篤郎)が縁談を持ってきます。
相手は、珠の亡き実母の妹・木村照子(山田真歩)の長男、つまり珠のいとこでした。
「お父様が決めたこと。従うしかない」と、珠は縁談を受け入れます。
ところが、それを知った親友の角田忍(木竜麻生)は、「父親に逆らえないだけだ」と珠をきびしく責め、2人はけんかをしてしまいました。
2.夫は珠にまったく関心を示さない
いよいよ嫁入りの日。
ところが、夫となった木村家の長男は、珠にまったく関心を示しませんでした。
3.三日もたたずに家を飛び出す
嫁入りして三日もたたないうちに、珠は木村家を飛び出してしまいます。
実家にもどった珠は、縁談をだめにしてしまったことを父の清治にあやまりますが、清治は「もうええ」とひと言だけ。
少しも怒らない父を、珠も継母のリョウ(国仲涼子)も不思議に思いました。
嫁入りして三日もたたずに、家を飛び出した珠(石橋静河)。縁談を台無しにしたことを父・清治(渡部篤郎)に謝るも、「もうええ」との返事だけで済まされる。
引用元:NHK「ブラッサム」公式サイト 第9回
こうして、珠の最初の結婚は、ほんの数日で終わりをむかえました。
史実の宇野千代さんも、14才のときにいとこの藤村亮一と結婚し、10日ほどで実家に帰っています。
ドラマの最初の結婚は、この史実がもとになっているんですね。
宇野千代 2番目の夫は誰?藤村忠との史実をまとめ
2番目の夫は、最初の夫の弟・藤村忠
宇野千代さんの2番目の夫は、藤村忠(ふじむら・ただし)です。
宇野千代さんが最初に結婚したのは、亡くなった実のお母さんのお姉さんの長男・藤村亮一。
その亮一の弟が、藤村忠でした。
つまり忠は、宇野千代さんにとって「いとこ」であり、「元夫の弟」でもあったのです。
最初の結婚は、婚家になじめなかったことや、亮一の女性関係もあって、わずか10日ほどで終わってしまいました。
まさかその弟と、のちに夫婦になるとは、だれも思わなかったでしょうね。
かき氷屋さんでの再会
最初の結婚から数年。
小学校の代用教員をやめさせられ、恋にもやぶれて岩国にもどっていた宇野千代さんは、生活のために雑誌の購読者を集める仕事をしていました。
ある夏の日、弟や妹たちを連れて、かき氷の屋台に入ったときのことです。
「ありゃ、千代さんかいの」と声をかけてきたのは、元夫の母、藤村家のおばでした。
そのとなりにいた、はかまに帽子すがたの若い学生。それが、元夫の弟・忠でした。
このころの忠は、京都にある旧制の第三高等学校(三高)の生徒。
当時、男子が上の学校に進めるのは、ほんのひとにぎり。忠はエリート中のエリートだったのです。
無口な忠は、ほとんど口をききませんでした。
それでも宇野千代さんは、言葉もろくに交わさないまま、この忠にひかれていきます。
絵はがきから始まった文通
その年の10月、忠から1枚の絵はがきが届きます。
そこには、いまは京都の知恩院で暮らしている、という近況が書かれていました。
お母さんにすすめられて返事を書いたことから、2人の文通がはじまりました。
12月には、忠から「冬休みに広島へ行くので、会わないか」と誘われます。
広島で再会した2人は、その夜、宿に泊まることに。
宿の帳面に宇野千代さんの名前を記すとき、忠はしばらく考えてから、その横に「妻」と書きそえたそうです。
京都・知恩院での“兄妹”くらし
宇野千代さんは忠をたよって京都へ向かい、知恩院の中にある小さなお寺(塔頭)の部屋で、2人の暮らしがはじまりました。
六畳ひと間に、机と火鉢と本棚があるだけの、つつましい部屋です。
このとき、2人はまだ正式な夫婦ではありませんでした。
いとこ同士なので顔立ちもどこか似ていて、まわりの人たちはすっかり兄と妹だと思いこんでいたといいます。
忠の実家からの仕送りがとどこおると、宇野千代さんは着物や本を質に入れてやりくりしました。
それでものちに、この京都での日々を、一生のうちで二度とないほどのんびりした暮らしだったとふり返っています。
ドラマで、珠と保が東京の下宿で「兄妹」として暮らすのも、この史実がもとになっていそうですね。
東京へ、そして正式に結婚
忠の東京帝国大学への進学が決まった1917年(大正6年)、2人は京都をはなれて東京へ向かいました。
東京での宇野千代さんは、中国人留学生に日本語を教えたり、出版社で事務をしたり、本郷の洋食店「燕楽軒」で給仕をしたりと、いろいろな仕事をして暮らしを支えました。
燕楽軒でどんな作家たちと知り合ったのかは、こちらの記事でくわしく書いています。
宇野千代と芥川龍之介の接点や関係は燕楽軒?
そして1919年(大正8年)8月、忠の大学卒業を待って、2人は正式に結婚しました。
宇野千代さんは21才。「藤村千代」になりました。
札幌での暮らしと作家デビュー
大学を出た忠は、北海道拓殖銀行に就職します。
1920年(大正9年)、2人は札幌へ引っ越しました。
銀行員の妻となった宇野千代さんは、着物の仕立ての仕事なども引き受けながら、小説を書きつづけます。
1921年(大正10年)、宇野千代さんの短編『脂粉の顔』が、『時事新報』の懸賞小説で一等に選ばれます。
これが、作家・宇野千代のデビューでした。
忠の安定した収入に支えられていたからこそ、宇野千代さんは書くことに打ちこめたとも言われています。
東京行きのあと、尾崎士郎と出会い離婚へ
次の作品『墓を発く』の原稿を、雑誌『中央公論』に送った宇野千代さん。
いつまでたっても返事が来ないので、1922年(大正11年)、たしかめるために東京へ向かいます。
出発の日、札幌の駅まで見送りに来た忠に、宇野千代さんは「すぐ帰る」と伝えました。
ところがそのとき、理由もわからないまま涙があふれてきたといいます。
ふたを開けてみると、作品はもう『中央公論』の誌面に掲載ずみ。宇野千代さんの手には、思いがけない大金の原稿料が入りました。
そして東京で、作家の尾崎士郎と出会い、ひと目でひかれてしまいます。
宇野千代さんの自伝では、このまま札幌には帰らなかったことになっています。
ですが実際には、いったん札幌にもどり、その後、東京まで迎えに来た忠も一緒に、3人で話し合いをしたそうです。
2人が正式に別れたのは、1924年(大正13年)4月。おたがいに話し合っての離婚でした。
宇野千代さんは尾崎士郎と3度目の結婚をし、筆名も「藤村千代」から「宇野千代」に変えています。
元夫の弟と結ばれ、作家としての土台を支えてくれた藤村忠。
宇野千代さんの長い人生の中でも、とても大切な人だったと言えそうです。
朝ドラ「ブラッサム」で二番目の夫は誰?
✨朝ドラ キャスト発表✨
2026年度後期 連続テレビ小説
【#ブラッサム】珠のいとこ/木村保(きむら たもつ)役
🌸#金子大地 さん🌸役柄:叔母・照子の次男であり、珠のいとこ。学業優秀でユニークな一面を持つ青年。泰然自若で、誠実な人柄もあいまって不思議なオーラを放つ pic.twitter.com/ODdyGhjOAI
— NHKドラマ (@nhk_dramas) February 13, 2026
二番目の夫は木村保
ドラマ「ブラッサム」で、珠の2番目の夫になるのは、金子大地さん演じる木村保(きむら・たもつ)です。
保は、叔母・照子の次男で、珠のいとこ。
そして、珠が最初に嫁いだ木村家の長男の弟、つまり“元夫の弟”でもあります。
史実の藤村忠と同じ立場の人物として描かれているんですね。
この先は、ドラマの保と珠が結婚するまでのネタバレです。放送を楽しみにしている方は気をつけてくださいね。
岩国での再会と手紙のやりとり
代用教員をやめさせられ、悪いうわさに苦しんでいた珠。
本家の酒蔵で働かせてもらっていた夏、珠は、京都の三高から帰省していた保と顔を合わせます。
珠(石橋静河)は、かつての嫁ぎ先の次男である木村保(金子大地)と再会。保は京都の第三高等学校に通う学生であり、夏休みを利用して地元に帰省していた。保が岩国にいる一週間、二人は毎日会って、おしゃべりをする。
引用元:NHK「ブラッサム」公式サイト
保は、うわさなど気にせず、珠と一緒に過ごしてくれました。
好きな本『イワンの馬鹿』の話で盛り上がり、保が京都に帰ってからは、2人の手紙のやりとりがはじまります。
つらい日々の中で、保からの手紙は、珠の心の支えになっていきました。
東京の下宿で「兄妹」として暮らす
その後も、岩国では悪いうわさが消えず、珠は葉野酒造の仕事も失ってしまいます。
東京の帝国大学に進むことになった保のもとへ行くよう、珠の背中を押したのは、継母のリョウでした。
家族と別れて東京に出た珠は、本郷の下宿「三好」で、保と一緒に暮らしはじめます。
学生向けのその下宿は、夫婦でもない若い男女がいっしょに住むことを認めていませんでした。
そこで珠は、保の「妹」ということにして暮らすことに。
その夜、保は珠に、ずっと珠のことを思っていたと打ち明けます。
そして、珠の気持ちが自分に向くまで待つことにしたのでした。
「兄さまじゃない」恋人になった2人
東京で暮らしはじめて1年あまり。
昼は西洋レストラン「悠樂軒」のウエイトレス、夜は原稿用紙に向かう毎日を送っていた珠。
ある日、珠が作家志望の青年・左良太と手を握り合っているのを見た保は、思わずかっとなります。
1年以上、珠が自分のほうを向いてくれるのを待っていた保。
「恋仲になったら、きっと終わりが来る」とこわがる珠に、保は「珠さんを裏切らん」とまっすぐに伝えます。
珠も「兄さまじゃない。保さんが好き」と自分の気持ちを打ち明け、2人はとうとう恋人同士になりました。
結婚して札幌へ
1918年(大正7年)、珠のおなかに赤ちゃんがいることがわかります。
心配なのは、これからの生活のこと。
そこへ照子が、札幌の銀行で働く親せき・木村正吾を連れてきます。
正吾は、出産の費用や保の仕送りを引き受けるかわりに、大学を出たら札幌の自分のもとで働くことを提案しました。
北海道という土地にひかれた2人は、結婚して札幌へ移ることを決めます。
こうして、珠と保は夫婦になりました。
史実の宇野千代さんと藤村忠のように、2人も北海道で新しい暮らしをはじめることになります。
札幌に行ったあと、珠と保がどうなっていくのかは、ここではあえて書かないでおきますね。
ドラマの保と珠のこれからのネタバレを知りたい方は、以下の記事でご紹介しています。
ブラッサム木村保(たもつ)のモデルは藤村忠!元夫の弟で驚きの結婚!?
まとめ
宇野千代さんの2番目の夫は、最初の夫・藤村亮一の弟で、いとこでもある藤村忠です。
かき氷屋さんでの再会から文通がはじまり、京都・東京で“兄妹”のように暮らしたあと、1919年に正式に結婚。
札幌に移り、宇野千代さんは忠に支えられながら作家デビューをはたしました。
その後、宇野千代さんは尾崎士郎と出会い、1924年に忠と離婚しています。
ドラマ「ブラッサム」では、金子大地さん演じる木村保が、この藤村忠にあたる人物です。
最初の結婚を三日で飛び出した珠が、元夫の弟・保とどんな夫婦になっていくのか、これからの放送も楽しみですね!