中国と接近 インドネシア 全方位外交の狙いは?
【けさ知っておきたいNEWS】
グッド!モーニング「けさ知っておきたいNEWS」のコーナーで解説されたNEWS内容をご紹介しています。
この解説のあと「けさ知っておきたいNEWS検定」が出題されます。
米中両方と軍事演習
インドネシアの全方位外交
インドネシア軍・アメリカ軍・フランス軍・日本の陸上自衛隊が参加する大規模合同軍事演習「スーパー・ガルーダ・シールド」が明日から始まります。
2007年にアメリカとインドネシアの二国間演習として始まり、2022年に現在の名称となりました。
ところがその一方で、インドネシアは今月中旬に中国との軍事演習も行っていました。
アメリカとも中国とも軍事演習を行うという、一見不思議に思える行動の背景にはインドネシア独自の外交哲学があります。
インドネシアは1万7000以上の島からなる人口2億8000万人(世界4位)の大国で、EVバッテリーなどに使われるニッケルの埋蔵量は世界1位という資源大国でもあります。
1949年にオランダから独立して以来、特定の大国に依存しない全方位外交を一貫して貫いてきました。
おととし就任したプラボウォ大統領が就任演説で「1000人の友人でも少なすぎる、1人の敵でも多すぎる」と述べたことは、まさにこの外交姿勢を象徴する言葉です。
要衝マラッカ海峡
各国が防衛協力を競う
インドネシアが各国から熱い視線を向けられる理由の一つが地政学的な重要性です。
マレー半島とスマトラ島の間にあるマラッカ海峡は年間10万隻を超える船舶が往来する貿易と安全保障の要衝で、インドネシアはその海峡に面した重要な位置にあります。
近年は中国がこの地域への海洋進出を強めているため、各国がインドネシアとの防衛協力の拡大を急いでいます。
具体的にはオーストラリアが今年2月に安全保障上の脅威に共同対応する安保条約に署名、アメリカとは4月に両国関係を主要防衛協力パートナーシップへ格上げする方針を示しました。
日本も6月に小泉防衛大臣がインドネシアを訪問し、海上自衛隊の「あさぎり」型護衛艦の輸出を協議しています。
中国とは弾薬工場建設
自国軍事産業を育てる思惑
一方で中国との関係強化も同時に進んでいます。
先週の王毅外相との会合でインドネシアは防衛協力の拡大で合意し、会合後にはインドネシアの国防相が中国と共同でインドネシア国内に弾薬・ミサイル工場を建設する方針を明かしました。
これほど幅広い国と防衛協力を進める背景には、プラボウォ大統領の経歴が関係しているとみられています。
もともと国軍幹部出身で安全保障を重視してきた同大統領は、中国との関係強化で自国の軍事産業を育てたいという思惑を持つ一方、アメリカをはじめとする西側諸国とも関係を保つことで地政学的な問題に巻き込まれるリスクを避けたいと考えているということです。
植民地支配の歴史から生まれた「どの大国にも依存しない」という原則を守りながら、したたかにすべての国との関係を利用するインドネシアの外交術が際立っています。
NEWS解説
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