<母親やめてもいいですか?>出て行った母。外の世界を知り気づいた違和感【第11話:息子の気持ち】 | ママスタセレクト
【第1話】から読む。
前回からの続き。今から十数年前、俺コウタロウには小学4年生から中学1年生まで学校へ行けなくなった期間があった。母さんは仕事を辞めて俺をサポートしていたが、父さんやじいちゃんばあちゃんに責められ、殴られたり蹴られたりしていた。高校生になった俺が同じように母さんを罵倒するようになると、ついに母さんは家を出て行ってしまった。
普段は短髪にしているけれど、湿気の多い日などは毛先が少しうねってしまう。友人からそのことを指摘された瞬間、ヤバいって思ってしまった。小学4年生のとき、このくせっ毛のせいで嫌な思いをさせられたんだ。思わずうねった部分を手で隠してしまったけれど、友人の反応は思いがけないものだった。
家では失敗など「絶対に許されない」という雰囲気があった。それを当たり前に思っていたから、家では常に身構えたり言い訳を考えたりするようになっていた。けれど俺がどんなに失敗しても、高校の友人たちはいつも優しかった。家では相変わらず父さんたちは、出て行った母さんのことをバカにしていた。
小学生のとき、俺は周りにいるのは敵ばかりだと思っていた。家でも父さんたちに責められることが多かった。けれどどんなときも味方でいてくれたのが母さんだった。母さんの優しさに包まれていたから、俺はまた外の世界に戻れたんだ。母さんがいなくなって「この家」の違和感に気づいた俺は「母さんに会いたい」と思うようになったんだ。
【第12話】へ続く。
原案・ママスタコミュニティ 脚本・渡辺多絵 作画・猫田カヨ 編集・井伊テレ子