呪術廻戦の領域展開一覧
『呪術廻戦』内の概念である「領域展開」について、その使用者を一覧形式でまとめた記事です。
領域展開とは?
「領域展開」とは、現代における呪術戦の極地として知られる技術です。
この技術によって展開された生得領域は、付与された術式を「必中」へと昇華させることを主な役割としています。
領域一覧
伏魔御廚子
伏魔御廚子|領域の主
「伏魔御廚子(ふくまみづし)」は、”呪いの王”両面宿儺の生得領域です。
作中では、2巻の第8話にて初めて展開されました。
伏魔御廚子|術式効果
両面宿儺が用いる斬撃は、「解(カイ)」と「捌(ハチ)」に分かれます。
前者の「解」は通常の斬撃ですが、後者の「捌」は対象の呪力や強度に応じて一太刀で卸す斬撃です。
そして領域「伏魔御廚子」は、呪力のないものに「解」を、呪力を帯びたものに「捌」を絶え間なく浴びせる術式が付与されています。
その斬撃は、領域ゆえに言うまでもなく必中。
つまり、両面宿儺が「伏魔御廚子」を使用した場合、その範囲内のあらゆるものが切り刻まれ続けると言うことです。
伏魔御廚子|特殊性
領域「伏魔御廚子」には、他の術師が展開する領域とは一線を画す「特殊性」を有しています。
それは、生得領域を具現化する際に結界を閉じないこと。
一般的な「領域展開」は、結界によって術師と術式対象者を空間から分断し、その上で生得領域の具現化を行います。
”結界を閉じる”と言う行為を省いた「領域展開」は、作中説明曰く「キャンバスを用いず空に絵を描くに等しい」行為。
そんな領域「伏魔御廚子」は、結界を閉じない……すなわち「相手に逃げ道を与える」と言う”縛り”により、必中効果範囲が最大半径200mにまで拡張されています。
効果範囲は可変であり、渋谷事変における宿儺は半径140mの地上のみに絞って術式を発動させていました。
なお、この”神業”「領域展開」を作中で使用した術師は、両面宿儺と羂索の2名のみです。
※『呪術廻戦』第229話時点。
蓋棺鉄囲山
蓋棺鉄囲山|領域の主
「蓋棺鉄囲山(がいかんてっちせん)」は、特級呪霊の漏瑚の生得領域です。
作中では、2巻の第15話にて初めて展開されました。
「蓋棺鉄囲山」は、漏瑚曰く「並の術師なら領域に入れた時点で焼け切れる」とのこと。
すなわち、具現化された環境の過酷さが凄まじく、術式を発動せずとも一定程度の効果は期待できるようです。
蓋棺鉄囲山|術式効果
「蓋棺鉄囲山」に付与された必中術式は、作中で明確に語られていません。
ただし、『呪術廻戦』第15話で「蓋棺鉄囲山」が展開された際、巨大な岩を五条にぶつけるシーンが描かれていました。
漏瑚と”岩”といえば、渋谷事変で見られた「極ノ番『隕』」が挙げられます。
漏瑚自身は”大地”への畏怖をルーツとする呪霊であり、岩や炎を用いた攻撃手段をとることから、領域内でも同様にそれらの術式が”必中”となるのでしょう。
無量空処
無量空処|領域の主
「無量空処(むりょうくうしょ)」は、特級呪術師の五条悟の生得領域です。
作中では、2巻の第15話にて初めて展開されました。
無量空処|術式効果
五条悟の「無量空処」は、平たく述べれば”対象を無下限の内側に引き摺り込む”効果を持っています。
具体的には、”知覚”や”伝達”と言った生きる際に必要な行為の全てに「無限回の作業」が強制されるとのこと。
「無量空処」をまともに食らった漏瑚は、全能感と虚無感を一挙に味わったかのような感覚に陥っていました。
なお、五条悟に触れている者は「無量空処」による効果を受けません。
無量空処|特殊使用例
『呪術廻戦』11巻の第89話。五条悟は、真人、漏瑚、脹相、その他大勢の改造人間(真人産)との戦いを強いられていました。
周囲には非術師もおり、五条にとっては戦い難いことこの上ない状況です。
そこで五条は、一か八かの賭けとして「0.2秒の領域展開」を敢行。
その結果、約5分間にわたって特級呪霊らの意識を奪いつつ、非術師への被害は最小限に抑えました。
自閉円頓裹
自閉円頓裹|領域の主
「自閉円頓裹(じへいえんどんか)」は、特級呪霊の真人の生得領域です。
作中では、4巻の第29話にて初めて展開されました。
自閉円頓裹|術式効果
「自閉円頓裹」は、真人が手のひらで相手に触れることで発動する生得術式「無為転変」を必中へと昇華させる領域です。
そして「無為転変」とは、相手の”魂”に干渉することのできる術式。
『呪術廻戦』における”魂”は、肉体に先立って存在するものであり、”魂”が改変させられれば肉体もそれを追う形で強制的に改変してしまいます。
わかりやすく言い換えると、「無為転変」は手で触れた相手の体を自由に変化させることができる術式。
そして「自閉円頓裹」は、相手を文字通り”掌の上”状態に追い込み、いつでも「無為転変」を発動することができる領域です。
自閉円頓裹|特殊使用例
真人の「無為転変」は、上述の通り”魂”に触れる術式です。
したがって、”宿儺の器”たる虎杖悠仁を相手にこの術式を使用すると、両面宿儺の魂にも(真人の意思とは関係なしに)触れてしまうことになります。
そこで真人は、五条悟から学んだ「0.2秒の領域展開」を敢行。
生得領域の具現化と術式の発動を一挙に行う早技により、東堂葵の左腕を使用不可にまで追い込みました。
この際、付近の虎杖も……すなわち両面宿儺の魂も領域に巻き込まれていますが、宿儺からのお咎めはなし。「0.2秒」が功を奏したようです。
朶頤光海
朶頤光海|領域の主
「朶頤光海(だいこうかい)」は、特級呪霊の花御の生得領域です。
作中では、6巻の第51話にて展開が試みられましたが、五条悟の介入によって戦闘そのものが中断されました。
その後のストーリーで結局展開されることはなかったものの、公式ファンブックにて名称のみ判明しています。
朶頤光海|術式効果
『呪術廻戦』6巻の第51話にて領域を展開しようとした花御は、左腕の供花に呪力を溜め込んでいました。
描写から見るに、溜め込んだ呪力を高出力で射出することが花御の狙いだったのではないかと思われます。
※領域「朶頤光海」はそんな呪力を確実にぶつけるために展開されようとしていました。
上述の通り、結局ストーリー上で「朶頤光海」は展開されなかったため、生得領域の外見や付与された術式等は不明なままです。
嵌合暗翳庭
嵌合暗翳庭|領域の主
「嵌合暗翳庭(かんごうあんえいてい)」は、呪術高専1年の伏黒恵の生得領域です。
作中では、7巻の第58話にて初めて展開されました。
嵌合暗翳庭|術式効果
伏黒恵の展開する「嵌合暗翳庭」は、必中効果の付与されていない未完成の領域です。
したがって、その効果は生得術式「十種影法術」を拡張するとともに、”環境要因”によって術師(=伏黒恵)に有利効果を与える程度のもの。
今後のストーリーで完全な「嵌合暗翳庭」が展開されることがあれば、それは後述の「蕩蘊平線」のように、”当たるまでそこに存在しない”式神が必中効果となるのではないでしょうか。
蕩蘊平線
蕩蘊平線|領域の主
「蕩蘊平線(たううんへいせん)」は、特級呪霊の陀艮の生得領域です。
作中では、13巻の第107話にて初めて展開されました。
真人一派の拠点としての顔も持ち合わせており、よく晴れた南国の海といった印象を受ける空間です。
蕩蘊平線|術式効果
「蕩蘊平線」に付与された必中効果の主役は、”式神”です。
式神による攻撃の”必中”は、「当たるまでそこに存在しなかった」と言う形で発揮される様子。
また、式神は”生命の源”たる海から際限なく湧き出るようであり、なかなかに厄介です。
誅伏賜死
誅伏賜死|領域の主
「誅伏賜死(ちゅうぶくしし)」は、日車寛見の術式にデフォルトで備わった生得領域です。
作中では、19巻の第164話にて初めて展開されました。
最も大きな特徴としては、”必殺”の術式ではないと言う点でしょう。加えて、互いの暴力行為を禁じる他、領域に付与された”ルール”をある程度開示することが”縛り”となっており、領域「誅伏賜死」はそれをもって成立しているようです。
誅伏賜死|術式効果
領域「誅伏賜死」に付与されている必中効果は、簡潔に述べると「裁判」です。
裁判は、(領域内の者について)全知の存在である式神「ジャッジマン」が、被告人となる術式対象者の罪状を読み上げる形でスタート。
その後、術式対象者には1度のみ陳述のチャンスが与えられ、「黙秘」「自白」「否認」のいずれかを選択することとなります。
一方の日車には、「ジャッジマン」から1つの「証拠」が与えられており、その「証拠」を元に1度のみ反論が可能です。
2人のやりとりが終了した後、「ジャッジマン」が六法に基づいて判決を下し、裁判は終了となります。
なお、判決によって「有罪」となった場合、「没収(コンフィスケイション)」や「死刑(デス・ペナルティ)」などの術式対象者にとって不利に働く効果が発動してしまうようです。
坐殺博徒
坐殺博徒|領域の主
「坐殺博徒(ざさつばくと)」は、呪術高専3年の秤金次の術式にデフォルトで備わった生得領域です。
作中では、21巻の第182話にて初めて展開されました。
「坐殺博徒」の大きな特徴は、必中効果自体は術式対象者にとって無害な点です。
それゆえに、領域との押し合いに強い他、術式の発動も極めてスピーディ。
相手が領域対策を行う前に後述の「ルール」について理解させることができます。
坐殺博徒|術式効果
「坐殺博徒」は、(作中に)実在するパチンコ台「CR私鉄純愛列車」をモデルとする生得領域です。
術者である秤が保留玉やシャッターを用いた”予告演出”を行うと、その瞬間「リーチアクション」がスタート。
大当たりを引くことができれば領域「坐殺博徒」は崩壊し、”ラウンド”へと突入します。
”ラウンド”とは、大当たり直後の「私鉄純愛列車主題歌『あちらをタてれば』が流れている4分11秒間」のこと。
その間、秤の体には無制限に呪力が流れ続ける他、肉体が壊れぬよう反転術式もフルオートで発動します。
つまり「坐殺博徒」とは、完全に”自己強化”のみを効果とする領域です。
なお、ラウンド(4分11秒)の終了とともに焼き切れた術式が回復し、秤は再び「坐殺博徒」が展開できるようになります。
時胞月宮殿
時胞月宮殿|領域の主
「時胞月宮殿(じほうげっきゅうでん)」は、呪霊と化した禪院直哉の生得領域です。
作中では、22巻の第198話にて初めて展開されました。
時胞月宮殿|術式効果
領域「時胞月宮殿」の必中効果について解説するためには、まず直哉の生得術式について解説する必要がありそうです。
禪院直哉は、禪院家相伝の「投射呪法」を有しています。
「投射受法」とは、24fps、すなわち1秒間を24分割した動きを設定し、その軌道通りに動くことができる術式です。
さらに「投射呪法」の使い手は、触れた相手にも「24fpsの動き」を強制させる事ができます。なお、動きの作成に失敗した人物は、”1秒間のフリーズ”と言うペナルティが発動します。
さて、「時胞月宮殿」は、そんな「『投射呪法』の相手への強制」が必中効果として付与された領域です。
領域外と異なる点としては、「投射呪法」の範囲がより細かくなること。
直哉曰く、術式対象は細胞にまで至るようです。
細胞単位で24fpsの動きを設定することなどできるはずがなく、結果として術式対象者の細胞は”フリーズ”を経て動きがズレてしまい、大怪我に至ります。
禪院直哉らしい、悍ましい術式効果ですね。
胎蔵遍野
胎蔵遍野|領域の主
「胎蔵遍野(たいぞうへんや)」は、羂索の生得領域です。
作中では、23巻の第205話にて初めて展開されました。
胎蔵遍野|術式効果
『呪術廻戦』第205話にて使用された「胎蔵遍野」ですが、具体的にどのような術式が付与されているのかは未だ明かされていません。
現時点で語ることのできる特徴といえば、羂索が天元と肩を並べるほどの”結界術”の使い手ゆえに、領域自体が極めて強力であるという点でしょう。
事実として、「胎蔵遍野」への対抗手段に「簡易領域」を使用した九十九でしたが、ものの数秒で結界を剥がされてしまいました。
胎蔵遍野|特殊性
領域「胎蔵遍野」は、両面宿儺の「伏魔御廚子」と同じく、結界を閉じずして具現化された生得領域です。
作中にて明記されていないものの、「伏魔御廚子」と同様に必中術式の効果範囲が底上げされているのではないかと推察されます。
三重疾苦
三重疾苦|領域の主
「三重疾苦(しっくしっくしっく)」は、受肉した過去の術師である万の生得領域です。
作中では、第219話にて初めて展開されました。
三重疾苦|術式効果
万の「三重疾苦」には、「構築術式」によって構築された「真球」が必中効果として付与されています。
作中説明曰く、「真球」は「接地面積が存在しないため無限の圧力を生むことができる」とのこと。この効果が”必中”となった場合、相手は消えてしまうようです。
まさに”必中必殺”。
この領域に引き摺り込まれた両面宿儺は、最強の式神「八握剣異戒神将魔虚羅」の”適応”能力を用いて危機を脱して見せました。
名称不明の領域一覧
術式効果
『呪術廻戦』12巻の第101話にて、偽夏油によって操られた特級特定疾病呪霊「疱瘡神(※)」が、冥冥を相手に領域を展開しました。
※偽夏油(羂索)の嘘。実際は疱瘡婆だった。(『呪術廻戦』12巻のおまけページより)
術式の必中効果は、領域内で一番呪力が強い者を対象として棺桶に拘束し、巨大な墓石で地面に埋葬するというもの。
埋葬された対象には3(スリー)カウントが行われ、3秒が経過してしまった場合、対象は「疱瘡」に罹患して死に至るようです。
つまり、墓石による埋葬までは必中ゆえに避けることができないものの、棺桶から脱出することさえできれば、死に至ることはありません。
一方で、埋葬自体にもそれなりのダメージ効果が存在するようであり、幾度となく埋葬を食らえば、やがて棺桶から脱出することも難しくなってしまうことでしょう。
なお、上述の通り、疱瘡婆の領域における必中効果は、領域内の一番呪力が強い者を対象としています。
この事実に気が付いた冥冥は、「簡易領域」を使用することができる憂憂にあえて”埋葬”を食らわせ、自身がフリーとなる時間を作り出しました。
ドルゥヴ・ラクダワラの領域
術式による領域拡張
仙台結界に滞留していた”受肉した過去の術師”ドルゥヴ・ラクダワラは、術式によって2種の自立型の式神を有しています。
作中説明によると、その式神の軌跡はドルゥヴの領域となる様子。
一方で、それ以上の具体的な術式効果は解説されておらず、現時点では不明です。
現時点では唯一の”2度目の受肉”を果たした術師であることから、今後の再登場もある……かもしれません。
乙骨憂太の領域
乙骨憂太は、呪術高専の2年生にして特級呪術師です。
仙台結界にて情報収集+点数集めを行なっていた乙骨は、烏鷺と石流の2名と激突。
その戦いの最中、「領域展開」と唱えました。烏鷺と石流を含む3者間の領域が相殺しあった他、黒沐死の侵入という予定外の事象も発生し、結果的に領域の結界が崩壊。
乙骨の生得領域は具現化されず、「領域展開」は未遂に終わりました。
ただし、乙骨憂太は『呪術廻戦 0』にて主人公を務めた人物。
メタ的な読みになりますが、「領域展開」を用いた活躍の余地は今後のストーリーで残されているのではないでしょうか。
烏鷺享子の領域
烏鷺享子(うろ たかこ)は、仙台結界に滞留する”受肉した過去の術師”です。
両面宿儺や万、裏梅らと同じ1000年前の術師であり、1度目の人生では藤氏直属の暗殺部隊「日月星進隊」にて隊長を務めていました。
仙台結界にて乙骨、石流と戦闘を行った際、領域を展開。結果として生得領域を具現化する前に結界が崩壊してしまったものの、「領域展開」という呪術師の極地に達している人物としてご紹介しました。
後述の石流と異なって生存しているため、今後の展開次第では今度こそ領域が見られるかもしれません。
石流龍の領域
石流龍(いしごおり りゅう)は、仙台結界に滞留していた”受肉した過去の術師”です。
仙台結界にて乙骨、烏鷺と戦闘を行った際、領域を展開。結果として生得領域を具現化する前に結界が崩壊してしまったものの、「領域展開」という呪術師の極地に達している人物としてご紹介しました。
乙骨や烏鷺と異なり、(両面宿儺の手によって)既に殺害されてしまった人物であるため、再登場の末の「領域展開」披露……という線は薄そうです。
九十九由基の領域
領域の所持は確定
『呪術廻戦』第206話。
羂索が薨星宮に攻め入る前、九十九は天元と羂索戦の対策を練っていました。
対策の主軸は、「羂索に領域を展開させる」こと。
一度領域を展開させれば、その領域を天元が解体することにより、九十九と脹相は術式が焼き切れた羂索を叩くことができます。
問題はいかに羂索に「領域展開」と言うカードを切らせるか。
……そこで九十九は、「私から領域を展開すれば羂索も領域を展開せざるを得ない」と意見したのです。さすがは特級呪術師と言ったところか、どうやら「領域展開」は標準装備。
作中で実際に見られることはありませんでしたが、「領域展開」という呪術師の極地にまで到達した人物ということで、ご紹介まで。
三代六十四の領域
術式効果
桜島結界に滞留していた受肉した過去の相撲取り三代六十四は、『呪術廻戦』22巻の第196話にて領域を展開しました。
その領域は、ただただ三代が相撲を取るためだけに機能する結界であり、それ以外の全ての要素が削ぎ落とされています。
特異な点としては、この領域が「両者が了承しない限り完成しない」ことでしょう。
作中説明曰く、「呪術的な縛りの要素を排除するため」のようです。
また、そんな三代の領域は、上述の通り”縛り”の要素が排除されているため、時間が領域外よりも早く流れています。
具体的には、領域内部で1000を超える取組を行なっても、外部では1分と経過しません。
禪院真希は、そんな三代との取組によって、甚爾と同じステージにまで上り詰めることができました。
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