中国外務省は12月24日、福島第1原発の処理水放出に関する海洋監視の結果について「1、2回の検査では問題を完全に説明できない」との見解を示した。日本産水産物の輸入再開については引き続き慎重であり、周辺海域での継続検査を要請している。
関連:岩野大臣が北京で「中国人富裕層向けに10年間の観光ビザを新設する」と発表、Xから批判…
日中両国の現状とIAEA監視協定
日中両政府は9月、国際原子力機関(IAEA)の枠組みの下、中国など第三国の参加を得て海水監視を強化することで合意した。中国は基準を満たせば日本産水産物の輸入を再開するとしているが、具体的な時期は明らかにされていない。
中国の専門家らは原発沖で採取した海水の分析を進めており、岩屋毅外相は25日に中国を訪問し、王毅外相と会談し、早期の輸入再開を強く求める予定だ。
中立から批判へ
こうした中国側の慎重な姿勢について、日本国内ではさまざまな意見が飛び交っている。
●慎重な姿勢に理解の声
「科学的な検証が十分でない場合、国民の健康を守る観点から慎重になるのは当然だ」
「継続的な検査が必要との意見はもっともだ。国際的な信頼を得るには透明性が重要だ」。
●批判的な意見
「中国自体がIAEA基準に同意しているため、必要以上に基準を延長する政治的理由があるのかもしれない。」
「科学的データを無視して日本産水産物の輸入を制限するのは不公平だ。」
「日本だけでなく世界基準に基づいて判断すべきだ。中国の立場は一貫性を欠いている」。
科学的データと政治的駆け引きの間で
中国が継続的な検査にこだわる背景には、国内世論の動向や安全性への懸念だけでなく、政治的な駆け引きも含まれる可能性がある。一方、輸入再開を求める日本政府の姿勢は、地元漁業や経済への影響を最小限に抑えるための合理的な選択といえる。
今後の焦点は、双方がどこまで科学的データに基づいて議論できるかだ。 IAEAをはじめとする国際機関の役割を強化し、透明性のある議論をしていくことが重要だ。
岩戸大臣が北京での交渉でどのような成果を上げることができるのか、また中国側が輸入再開に向けた具体的な条件を提示するのかが注目される。日中の信頼関係を築くには、科学的根拠に基づいた冷静な議論が求められる。
(文=シェアニュースジャパン編集部)
インターネット上のコメント
・中国よりも水の質がとても良いですよね。
・海流や潮の満ち引きについて知りませんか?日本が汚染水を太平洋に放出しても中国には影響しないが、中国が汚染水を放出すれば日本が影響を受ける可能性の方がずっと高い。謝罪と補償。
・もう完全に甘やかされてしまいました。情けない政府。
・対処する必要はありません。
・納得のいくまで公平かつ全世界同時テストを行うのが良いと思います。日本はそれを受け入れて立ち上がることができる。
・いや、黄海の汚染度を調べてから言った方が良いのではないだろうか?
・あなたの国での検査はどうですか?