トランプ大統領 “蚊を90%減らす”
日本でも期待?
【けさ知っておきたいNEWS】
テレビ朝日グッド!モーニング「けさ知っておきたいNEWS」のコーナーで解説されたNEWS内容をご紹介しています。
この解説のあと「けさ知っておきたいNEWS検定」が出題されます。
アメリカのトランプ大統領が、首都ワシントンに生息する外来種の蚊を、再来年までに90%減らすことを目指す大統領令に署名しました。
狙いは、デング熱など蚊が媒介する感染症の拡大を防ぐことです。
デング熱は、デングウイルスを持つ蚊に刺されることで感染します。
人から人へ直接うつるのではなく、感染者を刺した蚊が別の人を刺すことで感染が広がる仕組みです。
重症化すると命に関わることもあります。
アメリカでデング熱が増加
アメリカでは近年、デング熱の症例数が大きく増えており、おととしには過去平均の5倍ほどに達したとされています。
そのため、感染を媒介する蚊そのものを減らす対策が重視されるようになりました。
今回の大統領令では、その方法の一つとして「不妊虫放飼」と呼ばれる技術が採用される予定です。
不妊虫放飼とはどんな仕組み?
この技術では、まずオスの蚊に「ボルバキア菌」と呼ばれる細菌を持たせます。
そのオスを野外に放し、野生のメスと交尾させます。
すると、そのメスが産んだ卵は正常にふ化しにくくなり、次の世代の蚊が減っていきます。
メスの蚊は一度交尾すると、その後ほとんど交尾しないとされる一方、オスは複数回交尾します。
そのため、ボルバキア菌を持つオスを大量に放すことで、効率よく蚊の数を減らすことが期待できます。
なお、人を刺すのはメスの蚊だけです。
放出されるのはオスなので、人が刺される心配は基本的にありません。
GoogleがAIでオスとメスを選別
この技術の開発に力を入れている企業の一つがGoogleです。
GoogleはAIを活用し、医療や生命科学分野でも事業を展開しています。
研究施設では、蚊にボルバキア菌を持たせたあと、AIを使ってオスとメスを高速で選別します。
オスとメスにはわずかな違いがあり、人の目で分けるよりもAIの方が圧倒的に速く、大量処理に向いているとされています。
感染症対策にAIが使われているという点も、今回の取り組みの大きな特徴です。
シンガポールでは最大90%減少
Googleはすでに、シンガポール政府の感染症対策にも協力しています。
施設では週におよそ1000万匹のオスの蚊を飼育して放出しており、地域によっては半年から1年ほどで蚊の個体数が80~90%減少したとされています。
さらに、デング熱の発生数も大きく減ったとされ、一定の効果が確認されています。
こうした実績があることから、アメリカでも同様の方法に期待が集まっています。
日本でもデング熱対策に使える可能性
この技術は、日本でも将来的に活用できる可能性があります。
デング熱を媒介するヒトスジシマカは、日本にも広く生息しています。
昨年、日本ではデング熱の感染報告が167件確認されました。
ただし全てが海外で感染して帰国したケースですが、過去には海外から持ち込まれたウイルスをきっかけに、日本国内で感染が広がったこともあります。
そのため、日本でも蚊の発生を抑えることは、感染症対策として重要です。
きょうのNEWS解説まとめ
トランプ大統領が進める蚊の削減計画では、ボルバキア菌を持つオスの蚊を大量に放し、次の世代を減らす「不妊虫放飼」が注目されています。
AIを使ってオスとメスを効率的に選別し、蚊の数そのものを減らすという新しい感染症対策です。
シンガポールでは大きな成果が出ており、アメリカでも成功すれば、日本にとっても将来のデング熱対策のモデルケースになる可能性があります。
蚊を殺すだけでなく、「増やさない」ことで感染症を抑える時代が始まりつつあります。
NEWS解説
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