・信号待ちなどでクルマが停止したときに、エンジンを停止させる「アイドリングストップ」。停止中の燃料消費を抑えることで燃費を改善(=排出されるCO2を削減)するという低燃費技術だが、昨今はその効果に対して疑問視する声も多く、実際トヨタは、ガソリン車のアイドリングストップ機能を順次廃止している。
・トータルで考えれば、アイドリングストップ非搭載車と比較して、決してお得とはいえない。
・トヨタ広報担当に取材したところ、「(燃費やCO2といった環境性能で)充分に競合性があることと、アイドリングストップ搭載車であっても、ユーザーが機能を停止させているケースが多い。」とし、「(ガソリン車へのアイドリングストップ機構搭載は)今後も採用しない方向で進めている」としていた。
・ただ他メーカーでは、いまも(ガソリン車に)アイドリングストップを搭載しているケースが多い。たとえば日産はセレナ、ルークス、デイズ、NV200バネットなど、ホンダはNシリーズ全種、ステップワゴン、フリード、VEZEL、シビックなど、スバルは最新のレヴォーグレイバックまで全て、などだ。わずかであっても、アイドリングストップによるCO2削減効果に期待したい、という考えなのだろう。
・燃料代だけみれば「それでもないよりはマシ」と思えるが、実はアイドリングストップ機能を使うことで、バッテリーの劣化が早まり、バッテリーにかかるコストが増えてしまう。アイドリングストップ搭載車のバッテリーは、アイドリングストップ非搭載車用のバッテリーよりも交換サイクルが早く、アイドリングストップ非搭載車の「3~4年に1度」に対し、アイドリングストップ車用バッテリーは多くの場合「18か月または24か月」と、おおよそ「2分の1」程度の寿命。そのうえ、アイドリングストップ車のバッテリーは非搭載車のそれよりも1.5倍ほど高価。アイドリングストップ車は、頻繁に始動と停止を繰り返すことでバッテリーにかかる負荷が大きいため、高性能なバッテリーを短いサイクルで交換する必要があるからだ。
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