―『24時間テレビ』はなぜ不評なのか?
・番組への信頼が低下するなか、「24時間テレビ」という番組のコンセプトへの疑問も高まっている。例えば、なぜ靖子さんは苦しみながらマラソンを走らなければならないのか。それは、視聴者が彼女の苦しみに感動し、募金するという二層構造になっているからだ。しかし、このやり方に納得できない人が増えている。
「30代以下の人たちと話をすると、彼らは正直首を横に振り、『マラソンを見て募金する意味が分からない。そんな暇があるなら、靖子さんが直接募金を呼び掛けた方がいい』と言う。マラソンが多くの人の心を動かす緩衝材になったのは事実だが、後世の人たちが、全く意味のない企画だったと冷めた目で見ることが大切だ」と井上さんは言う。
赤い羽根共同募金とNHK年末助け合い運動を比較すると、前者は例年5月、後者は12月に始まります。立派な社会問題なのに、誰も大騒ぎしません。年末助け合い運動の場合は、NHKのアナウンサーがニュースで伝えたり、自分でスーツのジャケットに赤い羽根を飾ったりします。それでも毎年多くの人が募金をします。
「若い人からは『こんなお祭り的な放送じゃなかったら、24時間テレビの趣旨が理解できる』という声も少なくありません。具体的には、当日はいつもと同じ内容を放送し、定期的に募金会場の様子を取材する。これで十分だという意見です。大勢の芸人を呼んでお祭り気分にするより、制作費を募金活動に充てたほうがいいと、番組に全面的に反対する人も増えています」と井上氏は言う。
―重要なのは、現在「24時間テレビ」に納得していない若い視聴者が、50代になって「若い頃は24時間テレビが嫌いだったけど、歳をとった今は素晴らしいと思う」と考えが変わる可能性は低いということです。
「短期的には視聴率は上がったり下がったり、寄付金も上がったり下がったりするでしょう。しかし、今後の視聴率は確実に下がっていくのは間違いありません。実際、ネット視聴者の間では『24時間テレビはいつ終わるのか』という疑問を超えて、『24時間テレビは生命維持装置をつけている段階』という認識が広がっています。今後の視聴率を長いスパンで見れば、緩やかではあっても、着実に下がっていく可能性が高いと考えています」と井上氏は語った。
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