都電荒川線沿いの「+h café」で楽しむ、パリ仕込みのスイーツとゆったり時間 | ことりっぷ

荒川区西尾久の住宅街にある「+h café(アッシュカフェ)」。外国の絵本から抜け出してきたようなすてきなお店です。町工場をリノベーションしたのは建築家のご主人、お二人でインテリアをコーディネートし、そしてパリ仕込みのスイーツやランチを提供するのは奥さん。ご夫婦二人三脚で造り上げた、センスあふれるカフェをご紹介します。
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レトロな都電荒川線の沿線にあるおしゃれカフェ

まるで外国の絵本から抜け出してきたような、でも、不思議とまわりの街並みに溶け込んでいる、すてきなお店です。
もとは40年ほど前に建てられた町工場だそうで、高い天井を生かし、中2階にも席が設けられていて、広々とした開放的な造りになっています。

本場パリ仕込みの絶品スイーツたち

「タルト・タタン」693円。紅玉の季節にあわせて、10~4月くらいの期間限定メニュー
とくにおすすめなのは、「タルト・タタン」と「メルヴェイユ」です。
「タルト・タタン」は、甘酸っぱいリンゴがぎっしり詰まった看板メニュー。煮詰められてねっとりしたリンゴと、さっくりしたタルト生地が絶妙のバランスです。
「メルヴェイユ」は、自家製アイスクリームにソースをかけ、メレンゲとチュイルをトッピングしたオリジナルデザート。アイスクリームの手作りならではの素材感とほんのりした甘さが絶妙です。

「メルヴェイユ(レギュラー)」660円。アイスクリームのフレーバーとソースは時期によって替わる。462円のプチサイズもあり

「カフェ・グルモン」1210円。コーヒーまたは紅茶付き。写真は、コーヒーの右から時計回りに「ビクトリアケーキ」「レモンメレンゲタルト」「バスクチーズケーキ」「くるみメレンゲ」「クレームブリュレ」
そのほか、ランチメニューも用意。スパイス、ハーブ、ドライフルーツなどを使った週替わりのプレートランチやキッシュプレート、ミートソースドリアなどがいただけます。
パリ生活の後、キッチンカーを経て固定店をオープン

また、そこに至るまでのストーリーもとても興味深く、和宏さんは大手設計事務所に長らく勤務、博子さんは自宅で料理・お菓子教室をしていたという安定した生活から一転、2007年に小学生のお子さん2人を連れて、学生ビザでパリに移住されたそう。パワフルな行動力に驚かされます。
パリで、和宏さんはフランス語の語学学校に通い、半年後、建築家・坂茂さんのパリオフィスで仕事をスタート、博子さんは料理学校・製菓学校に通いながらパティスリーで研修を受け、お二人とも、さまざまな経験や人との出会いを重ねられたとのこと。
そして、7年間のパリ生活の後、2014年に帰国、3年間、キッチンカーでの移動販売をしながら、固定店の準備を整え、2018年、この「+h café」をオープンしました。


思いやスキルが詰まった、センスあふれる空間

アンティーク家具はパリやロンドンで買い付けたもので、センスよくレイアウトされ、海外に小旅行に来たかのような空間を創り出しています。
なかでも目をひくのは、水色のシトロエンHトラックと歴史を感じる暖炉です。
シトロエンHトラックは、インテリアとしてもピカイチの存在感ですが、キッチンカー時代に活躍したトラックそのものだそうで、今も現役でイベント時に出動しているとのこと。
店名は、このトラックの名称と、エクトール・ギマールのイニシャル、そして博子さんのイニシャルの「h」からとったそうです。

暖炉の前にはソファとテーブルが置かれ、パリのアパートの居間にいるような、ゆったりとした時間が過ごせる空間になっています。
ご夫婦二人三脚で創られた「+h café」。おいしいスイーツやランチ、パリの空気を味わいに訪れてみませんか。

※掲載の内容は、記事公開時点のものです。変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。
文:いちきドーナツ 市来恭子 撮影:依田佳子