・「主文 被告人を懲役5年6ヵ月に処する」
本間敏広裁判長が判決を言い渡すと、量刑の理由を聞くこともなく、被告人の父親は法廷を足早に去っていった――。
・2023年12月4日、13歳未満の女児Aさんへの強制性交などの罪に問われた元小学校教諭の水沼宏嘉(ひろき)被告(31)の判決公判が、千葉地裁松戸支部で開かれた。
・水沼被告は’22年11月から今年1月にかけて、10~15回にわたって性行為やわいせつ行為を行っていたことが、公判のなかで明らかになっている。「リビングや寝室だと妻や息子のことを考えてしまって、罪悪感が生まれる」からと、廊下にマットを敷き、結婚指輪を外して性行為をしていたという。
水沼被告は小学校教諭として性教育の授業も受け持っていたが、避妊具をつけずに行為におよぶなど、Aさんに対する性的リスク予防意識は、驚くほど欠如していた。
被害者家族の代理人弁護士の「妊娠したらどうするつもりだったのか」「未成年では、性行為で子宮が破裂するなど大ケガを負う可能性もあったのではないか」との質問には、「申し訳ありません。そこまで考えていませんでした」と無責任な回答を繰り返すだけだった。
Aさんの母親は公判で事件に気づいたときの衝撃を語り、「被告人は、あきらかに娘を人としてではなく、モノとして扱いました」と声を震わせた。いまだにAさんが、水沼被告のことを「好きだったのかも」と口にするなど、気持ちの整理ができていないこと。警察に話したことで水沼被告が逮捕されてしまったと、Aさん自身を責めてしまい、時には自傷行為までするようになったこと。これらに触れてこう怒りをにじませた
「娘は記憶をすりかえてまで、心の均衡を保っているのです」「専門家によると、典型的なグルーミング(性的な接触を目的に大人が子どもを手なずけること)による洗脳状態だとのことです」
水沼被告の自宅から小児性愛者向けのマンガが押収されていることについて、「被告人は、学生時代から小児性愛者向けのマンガを集め、それを新居に持ち込んでいました。小児性愛者が決してなってはいけない職業に就いたのです」と激しく非難した。
判決が言い渡された12月4日。本間裁判長は、検察の求刑懲役6年にたいして懲役5年6ヵ月の判決を言い渡した。
そして、「被害者のこうむった肉体的精神的苦痛は大きく、現在も精神的に不安定な状態が続いているばかりか、将来の健全な育成への悪影響も軽視できない」「児童ポルノ所持についても、被告人の性的な傾向がうかがえるなど、看過できない」と量刑の理由を述べた。
fa-calendar12/26(火) 8:00
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