テレビ東京の石川一郎社長は30日、東京・六本木の同局で定例会見を開き、昨年3月28日に放送された「激録 警察24時速取材!!」の演出に事実誤認があったとして謝罪し、同番組を打ち切る考えを示した。
石川社長は「この番組は外部の制作会社と共同で制作したが、放送の責任はテレビ東京にある。視聴者や関係者に迷惑や誤解を与え、名誉を傷つけたことはテレビ東京社長として深く反省し、心からおわびする。申し訳ない」と頭を下げた。
同社は今回の事故について「きちんと確認していなかったことが原因。我々のミス」と説明。昨年夏、取材対象者の指摘を受け、調査を開始したという。再発防止策について、永田隆常務は「基本的に、どの番組も担当者全員が注意すべき点を認識し、制作前に共有している。今回はその認識に差があった。明日から研修会を開き、頻度を上げていく。次に、チェック体制。作業を確認する人を増やす必要がある」と語った。
問題の動画は事件発生後に撮影されたもので、捜査開始当初から「事後再現」とされてきたが、永田常務は「事実の捏造や歪曲はない」と明言。さらに「演出ではない。時系列で流れていたので、事実に基づいて『再現』した。『再現』というテロップを付けるべきだったが、確認し忘れた」と誤報を流したと強調した。ただ、不起訴を認識していた職員もいたと明かした。
会見では記者らが次々に追及し、質疑応答は約1時間に及んだ。「番組自体は今後も制作されるのか」との質問に対し、石川社長は「やめます」と答え、番組終了を明言した。
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faカレンダー2024年5月30日 15:58
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