大阪の有名進学校、私立清風高校の男子生徒がカンニングが発覚し自殺した。保護者らは学校側を「指導破壊」などとして訴訟を起こし、指導の適切性を争う裁判が行われている。
インターネット上では学校指導に対する厳しい批判が相次ぐ一方、「生徒指導に線引きを」との声も多く、この問題を通じて教育現場における「指導」という概念が改めて問われている。問われている。
指導が引き起こした悲劇
2021年12月、清風高校の男子生徒が期末試験で不正行為をした疑いで約4時間の戒告処分を受けた。その後、自宅謹慎、全科目0点、写経80巻などの厳しい処分を受けた。少年は自らを「卑怯者」と呼ばざるを得なかったといい、遺書には「死ぬのが怖いというよりも、周囲から卑怯者だと思われるのが怖い」と記していた。
保護者らは学校の指導を「人格を否定するもの」と批判しており、法廷で「指導による死亡」かどうかを争っている。一方、学校側は「同様の指導が原因で自殺した例はない」として、全力で争う姿勢だ。
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[The heart of a parent who committed suicide after cheating]
— ヤフー!ニュース (@YahooNewsTopics) 2025 年 1 月 5 日
教育現場で繰り返される問題
男子生徒の事件以外にも、過去にも兵庫県で同様の問題が起きている。指導を受けた生徒が精神的に追い詰められて自殺するケースが相次ぎ、家族からの指摘や訴訟も相次いでいる。
専門家によると、1989年以降、100件以上の「指導死」とみられる事件が確認されており、その多くは「人格否定」ともとれる叱責や懲罰が原因だという。指導の途中で。
文科省は2022年度に生徒指導要領を改定し、「不適切な指導は自殺につながる可能性がある」と初めて明記したが、強制力がないため指摘もある。現場での強制力を強化するには、指導の提供方法を変更するための法的取り決めが必要です。
教育現場で求められる「指導」を再定義する
この問題で浮き彫りになったのは、教育現場における指導のバランスをとることの難しさだ。不正行為は明らかな不正行為だが、その指摘の過程で「人格否定」と受け取られかねない表現が用いられ、命にかかわる悲劇を招いた。
教育現場では指導する権利が法律で認められていますが、それを行使する際には注意と配慮が必要です。特に、叱責や処罰が過度になると、生徒の精神的負担が限界を超えてしまう場合があります。 「指導」と「懲罰」の境界があいまいであってはなりません。
教師には生徒一人ひとりの状況を適切に理解し、個別に対応するスキルも必要です。そのためには、教師自身の研修や支援体制の充実が急務となっている。
少年の両親が裁判を通じて訴えているのは、同じ悲劇を繰り返さないための「指導の存在」の見直しだ。裁判の結果はともかく、この問題は教育現場全体の課題として広く議論されるべきである。
教師一人ひとりには、自分の指導が生徒に与える影響を深く考え、より良い教育環境の構築に努める必要があります。
(文=シェアニュースジャパン編集部)