【山形県知事・吉村美栄子】第4回「子育ては一番大事な仕事。毎日子どもを育ててくれてありがとう」 | ママスタセレクト

前回の続き。 山形県は0~2歳児の保育料を無償化することで段階的に負担軽減を進めている。 山形県の吉村美栄子知事は、子育て世帯の負担軽減に向け、独自の政策で国が支援できない地域に積極的に取り組んでいる。 ご自身の子育て経験を通して、今のママ・パパたちに伝えたいことは何ですか?

0~2歳児の保育料が家計を圧迫
――現在、山形県ではさまざまな子育て政策が実施されています。 吉村知事が問題視していることはありますか?
吉村美栄子 山形県知事(以下、吉村知事):現在、全国的に3歳以上の幼児の保育料は無償化されています。 0歳から2歳までの子どもがいる家庭は、福祉ホームと市町村民税非課税住宅に限り無料となります。 しかし、保育園を利用する保護者の視点から見ると、0~2歳児の保育料は特に高く、家計を圧迫している家庭も多いと思います。
このため、山形県では、令和3年度から市町村と連携し、低所得世帯(推定年収470万円未満)を対象に保育料の大幅減免事業を実施しています。 この取り組みは子育て世帯に大変好評で、現在では県内の8割の市区町村が低所得世帯向けに保育料を無償化しています。 しかし、財政には限りがあるので、負担軽減の更なる拡充は山形県が行うのではなく、国の政策として実施されるべきであると考えます。
子どもを育てることは、人が果たせる最も重要な仕事です。
──吉村知事のお二人のお子さんはすでに成人されていますが、ご自身の生い立ちを振り返って印象に残っていることは何ですか?
吉村知事:私が第一子を出産したとき、叔母は「あなたは人間の人生で一番大切な仕事をしているのよ」と言いました。 その言葉はいつも私の心の支えでした。 もちろん、時間があまり取れなかったときや、息子が言うことを聞いてくれなくてイライラしたときもありましたが、叔母の言葉を思い出して自分を抑えることができました。
子育ては計画通りに進まないことが多く、時には不安や自信喪失を経験することもあるかもしれません。 でも、こんな時だからこそ、本当に大切な仕事をしているんだということを若い人たちに伝えたいです。
──子育て中のお母さんやお父さんにとって、勇気づけられる言葉ですね。
吉村知事:その言葉は私にとって心の支えであり、他の人の支えにもなり得ると感じます。 仕事をしながら子育てをするのが大変だと思う時期もありました。
私も子供の頃、反抗期だったので壁を殴られることもありました。
──息子の反抗期など、自分に余裕がなくなりそうになったときはどうしていましたか?
吉村知事:反抗期は大変でした(笑)。 長男は小さい頃はよくついてきてくれましたが、反抗期になると壁を叩いたり大きな音を立てたりすることがありました。 ただし、反抗期は子どもが考え直し、親から離れるために反抗する時期であることを理解することが重要です。 今、子どもが成長しているという視点で見れば、余計な一言も控えられるでしょう。
──子育てを卒業した先輩ママである吉村知事を代表して、子育て真っ最中のお母さんたちに伝えたい言葉は何ですか?
吉村知事:子どもたちは日々成長していくので、その一瞬一瞬を楽しんでほしいと思っています。 私自身の親の経験から言えば、今振り返ってみると、受験が一番大変だったと同時に、楽しかったなと思います。 子育ては大変なので、正直、早く終わってほしいと思うこともあります。 しかし、終わってしまうと虚しさを感じてしまいます。 卒業して振り返ってみると、子育てをしていた時期が本当に自分が輝いていた時期だったのではないかと思うことがあります。
働くお母さんたちに、日々の子どもたちとの関わりの中で、少しでも喜びや幸せな瞬間を見つけてほしいと思っています。 大変なこともあるかもしれないけど、きっとそんな瞬間はたくさんあると思う。 子育て中は大変なことがクローズアップされがちですが、その裏には素晴らしい瞬間も隠れています。
子育てのポジティブな側面に焦点を当てましょう。
──最後にママスタを読んでいるお母さんたちにメッセージをお願いします。
吉村知事:子どもたちを育ててくれて、心から感謝したいと思う毎日です。 子育てにおいては、母親自身も成長する必要があります。 人が広がり、世界が広がる中で、楽しみや喜びを見つけてほしいと願っています。 大変な時期に気を取られず、ポジティブな面に目を向けて子育てを楽しんでください。
私たち山形県は、社会全体で子育てを支え合い、この文化を広めていきたいと考えています。 私はこの社会を進化発展させたいという思いを持っています。 今後も子育て中の方々とのディスカッションの機会を増やしていきますので、より多くの方が声を上げていただければ幸いです。 県民一人ひとりが子育て支援団体であり、社会全体で子育てを支え合うべきです。 声をあげて子育てを支え合いましょう。
(編集後記)
山形県の吉村知事は、父親や母親の声に耳を傾け、0~2歳児の保育料無償化など県民に寄り添った政策を展開している。 最終面接では、母親自身が自分の希望を伝えることの大切さを強調していたのが印象的でした。 この機会にあなたの地方自治体に声を届けてみませんか。
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取材・文:真野由利子 編集:荻野美紀子