・来年4月、「森林環境税」(国税)が創設され、国民1人1000円が住民税に上乗せされる。財務省取材の経験が長いジャーナリストの長谷川幸洋氏(元東京・中日新聞論説副主幹)が語る。
「これは震災復興のための復興特別税の期限が来年切れて税金を徴収できなくなるから、財務省と林野庁が組んで森林環境整備という批判されにくいもっともな理屈をつけて恒久財源にしたもので、明かな増税です。実は、財務省は新税創設に先立って5年前から自治体に森林環境整備の補助金を出しているが、交付した補助金の半分近くが使われずに余っている。それなのに増税はやめたくないから大義名分が必要になった」
そこで急遽、編み出したのが「花粉症対策」であり、全国の杉を伐採し、花粉が少ない杉や他の樹木に植え替えるという増税の口実だ。今年4月に関係閣僚会議が設置され、わずか3回の会議を経て発表された。
森林環境税以外にも増税メニューは目白押しだ。
政府与党は倍増させる防衛費の財源に充てるために早ければ2025年度から所得税、法人税、たばこ税を増税する方針を決めており、さらに「異次元の少子化対策」の財源として、国民が支払う健康保険料に少子化対策の「支援金」を上乗せする。そのために首相は今年7月にこども家庭庁に「支援金制度設立準備室」という部署を新設して保険料引き上げの準備を進めさせている。
fa-calendar2023.10.19 07:00
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