[World Refugee Day]トルコから日本に逃亡、難民申請却下「ビザなし、仕事なし」
20日は国連の世界難民の日。ロシア軍の侵攻でウクライナ国内を避難した人々への支援が広がる一方、迫害を逃れて日本にやってきても支援が受けられない人もいる。クルド人家族に話を聞いた。
記者が訪ねたのは、埼玉県川口市に住むクルド人女性、ハニムさん。7年前、2歳の長女を連れてトルコから来日し、その後、日本で3人の子どもが生まれた。
ハニムが日本に来た理由は――
ハニム
「(トルコで)クルド語を話すと暴力を受けるでしょう…」
クルド人は「国を持たない最大の少数民族」と言われ、トルコ政府はクルド人の自治・独立運動をテロとみなして弾圧を強めている。ハニムさんは差別や迫害から逃れるために来日したという。
ハニム氏が私に見せてくれたトルコの裁判文書の翻訳では、名前は「容疑者ハニム」と書かれていた。
ハニム
「『クルド人のテロ』のようなクルド人の歌を歌う」
トルコ当局の注目を集めたのは、ハニム容疑者が2017年にソーシャルメディアに投稿した動画だった。川口駅でクルド音楽を演奏する自身の動画を投稿し、トルコで「テロ宣伝活動」の疑いで逮捕状が出された。
トルコ大使館に行ったら、パスポートに穴が開けられ、移動の自由を奪われました。自分の状況を説明して難民申請をしましたが、申請は却下されました。
昨年、日本で難民認定された人は74人。4万人近いドイツ、3万人を超えるカナダやフランスと比べても極めて少ない。認定率も0.7%に過ぎない。特にトルコ国籍のクルド人は、日本で難民認定された人は一人もいない。
ハニムさんの難民申請は却下され、彼と家族全員は居住資格を失った。
ハニム
「ビザがないので働けず、お金もありません。」
「家族からお金を借りた」
収入が減った今、彼らが最も心配しているのは、重度の心臓病を患っている息子のアダル君(3)だ。
ハニム
「あなたの唇は紫色です。心臓を調べてみましょう。」
彼は先天性心疾患のため、5回の手術を受けている。アダルさんのお腹から突き出ているのはペースメーカーだ。彼は今も薬を服用する必要がある。
在留資格を失い健康保険も使えなくなったため、医療費はすべて自分で支払わなければならなくなりました。
薬代領収書に21万円を超える金額が記載されています。
ハニム
「(薬の)領収書。払えるか聞かれるけど、払えない」
次回の手術費用は180万円以上かかると予想され、頭を悩ませている。
ハニム
「ウクライナ人が日本に来ると、政府が支援し、さまざまな企業が仕事を提供し、無料で住居を提供する。ウクライナ人は人間なのに、私は人間ではないのか?」
(わずかに)