・維新の逆襲
「県民から負託された県政を全力で進めていたので、自分に非はない」と主張したが、ある議員がこれに割って入った。
対象者は沖縄県議会議員で日本維新の会所属の佐藤義則氏(43)。
佐藤県議:知事は「20メートル」事件で急いでいたとおっしゃっていましたが、公用車の運転手や付き添いの人は現場までの時間を調べて余裕を持って出発したと思います。知事は事前に決めていた出発時間に遅れることはありますか。
斉藤知事:はい、その通りです。
佐藤:そうなると、自分は遅れているのに部下に対して指示を出すという状況は難しいように思いますが、いかがでしょうか?
斉藤知事:いつも遅れているわけではないのですが、ご指摘の点はよく理解できました。
佐藤県議:これまでの知事の証言を聞いて、知事は基本的に遅刻しているということがわかりました。遅刻している以上、知事にも非があるわけですから、部下を責めるべきではないでしょうか。そうであれば、知事が遅刻して予定が狂っているとか、遅刻して腹を立てているとか、そういう状況で職員を叱るのは無理があると思います。現時点で明らかなのは、知事自身は遅刻することもあるが、部下を指導しているということであり、矛盾しています。部下を指導するのであれば、知事自身が時間厳守であるべきだと思います。
不人気
佐藤府議は斉藤知事について「人気がないのでは」とまで発言し、議場をざわつかせた。というのも、デイリー新潮が報じたように、斉藤知事は維新の会出身者として初めて大阪府外で選出された知事であり、これまで彼を擁護してきたのも日本維新の会だったからだ。百条委員会の設置に反対し、告発者である元府長の自殺のきっかけになったとされる私文書の提出を求め続けたのも維新の会だった。維新の会幹事長で県議の門隆志氏(57)も8月25日、元知事宛に「3年前の知事選で支援した責任があり、知事としての資質を欠く行為が発覚すれば最後の一押しをしなければいけないかもしれないが、現時点で知事としての資質を欠く行為は確認されていないと考えている」と文書を送った。県の担当者はこう話す。
「斉藤知事への国民の反発は維新の党にも向けられ、先日の大阪府箕面市長選では現職の維新市長がダブルスコアで惨敗した。慌てふためいた日本維新の会の馬場伸之代表(59)は「(百条委員会で)真相を明らかにしてほしい」と発言し、維新の会共同代表の吉村洋文大阪府知事(49)は「維新の党府議団が辞職勧告決議や不信任決議を提出する可能性がある」とまで発言。ついに維新の党も方針転換したようだ。ちなみに、これまで何度も斉藤知事を擁護してきた維新の党の岸口実議員(60)は百条委員会の質問委員から外された。それにしても、今さら知事への質問は茶番にしか思えない」
斉藤知事の側近4人から見放され、維新の会からも見放され、知事は今や孤独だ。
「人気がない」とまで非難された知事は、こう答えた。
斉藤知事:職員に好かれ、尊敬されることも大事だと思いますが、県民の皆さんにいい仕事をしてもらえるような体制づくりが大事だと思います。人気がなかったとしても、それは反省しないといけないですが、県民の皆さんに必要な指導や気配りをしていくことが大事だと思います。
見事な対応だった。パワハラも認めず、知事を続ける意向も少しも変わっていない。だが、一番の問題は、これが県民のためにならないことだ……。SNSではそんな声が上がっている。
faカレンダー2024年8月31日 12:10
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